ボーイングと日本の機体主要パートナーは7月23日、ボーイングの新型旅客機777Xの開発・製造に関する正式契約に調印した。

777Xは2017年に生産を開始し、2020年の初号納入を目指している

今回の契約は、2014年にボーイングと日本の航空機メーカー(JAI)および日本航空機開発協会(JADC)が発表した、主要構造部位の約21%を日本の航空機メーカーが製造分担するという合意覚書(MOA)の契約諸条件を盛り込んで契約文書にまとめたもの。分担部位としては、胴体、中央翼、圧力隔壁、主脚格納部結合、客室扉、貨物室扉、主脚扉、翼胴フェアリング等が含まれている。

JAIとは、三菱重工業(MHI)、川崎重工業(KHI)、富士重工業(FHI)、新明和工業(SMIC) および日本飛行機(NIPPI)の総称で、JADCは民間航空機の開発を推進し、日本の航空機メーカーの競争力を高める目的で設立された一般財団法人となっている。

ボーイング民間航空機部門でサプライヤー・マネージメント担当バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーを務めるケント・フィッシャー氏は、「日本のパートナーは常に最高水準のパフォーマンスを見せてくれており、現行の777の大いなる成功にも大変貢献してくれています。われわれは777Xを競争力のあるものにするための努力を続けており、刻々変わる市場の要求に応えられるパートナーシップのひとつの模範例になっています」とコメントしている。

JADCの村山滋理事長(川崎重工業社長)は、「今回の正式契約はJADCおよびJAIにおいて極めて重要なイベントであり、JAI各社においても工場の新設を含む拡張、ロボットや新しい設備の導入など自動化の推進等積極的な投資を行い、高品質の製品を納期通りに提供することにより777Xの成功に貢献したい」とコメントしている。

2014年、ボーイングは50億ドル(約6,100億円)におよぶ製品・サービスを日本から調達するとともに、数万人の雇用を生み出している。ボーイングによる日本からの調達規模は、今回の契約締結により今後5年間で約360億ドル(約4兆 4,000億円)に達する見込みとなっている。

JADCの一丸清貴専務理事は、「日本の航空機メーカーはこの50年、最初の747SPへの参画をはじめとして、以降のほぼ全ての民間機プログラムに参画しており、ボーイング社とは単なるサプライヤーを超える関係を築き上げてきました。今回の777Xの契約はそれをより強固にするものであり、将来にわたって航空機の開発・製造についてともに歩んで行きたい」とコメントしている。

ボーイングはこれまで日本の航空機メーカーと、次世代737、737MAX、747、757、767、777、787ドリームライナー、そして今回の777Xの開発・製造を通じて、50年近くにわたり協力関係を続けている。777Xは現行777ファミリーをベースとして作られ、777Xファミリーとしては777-8Xと777-9Xがある。777Xは現在6社から306機の確定受注を得ており、2017年に生産を開始、2020年の初号納入を目指している。