大阪府立大学とユーグレナは7月16日、微細藻類であるユーグレナ(和名:ミドリムシ)の粉末や、特有成分であるパラミロン粉末の継続摂取が胃潰瘍症状を緩和することを示唆する研究結果を確認したと発表した。

同成果は同大学生命環境科学研究科の中野長久 客員教授とユーグレナの共同研究によるもので、6月5日に開催された日本ビタミン学会第67回大会で発表した。

同研究では、ラットに通常の食事、ユーグレナ粉末を混ぜた食事、パラミロン粉末を混ぜた食事およびパラミロンを化学的に処理し結晶構造を壊したアモルファスパラミロンを混ぜた食事を2週間経口摂取させた。その後、ラットにストレスを与えることで胃潰瘍の形成を誘導した。

各ラットの胃の状態を調べたところ、ユーグレナ粉末、パラミロン粉末およびアモルファスパラミロン粉末を混ぜた食事を摂取したラットでは、胃潰瘍の形成範囲が抑制される傾向にあることを確認。特にユーグレナ粉末の摂取が有意に胃潰瘍症状の緩和効果を持つ可能性が認められた。

両者は今後も、ユーグレナおよびパラミロンの機能性に関する研究を進め、医療分野などへの利活用や食材としての付加価値向上を目指すとしている。

胃潰瘍形成範囲の変化