インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月14日、「IIJ GIO(ジオ)サービス」で提供しているIaaSのサービス構成に、新たなラインアップとして「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(IIJ GIO P2)を追加すると発表した。月額費用は1,100円から、提供開始は2015年10月。

IIJ GIOインフラストラクチャーP2の概念図

同社はIaaSのラインアップとして既に、オンラインで導入できるパブリック・クラウド「IIJ GIOホスティングパッケージサービス」と、各種のITリソースを組み合わせてシステムを構成できるオーダーメイド型の「IIJ GIOコンポーネントサービス」を提供しており、新サービスはこの2つのサービスを進化させた次世代のクラウド・サービスだという。 より信頼性・処理性能を高めたパブリック・クラウドと、オンライン申込みで即時利用を可能にしたプライベート・クラウドを、1つに融合したサービスとして提供する。

同サービスは、仮想サーバを中心とした共有リソースを提供する「パブリックリソース」と、VMware仮想化環境と物理サーバを専有リソースとして提供する「プライベートリソース」、これら双方のサーバで利用できる「ストレージリソース」で構成し、ユーザーは最適なリソースを組み合わせてシステムを構築できるとしている。

さらに、マルチキャリア対応やプライベート・セグメントの延伸など外部接続性にも優れるといい、オンプレミスや他社クラウド・サービス環境とのシームレスな連携が可能とのこと。同サービスは、1つのクラウド・サービスで幅広いユーザー・ニーズを全てカバーする「One Cloud」を実現するという。

パブリックリソースは、仮想サーバを中心とする共有リソースを提供し、開発環境や簡易なWebサービスから、高いI/O性能が求められるオンライン・ゲームやECサイトのプラットフォームまで、幅広い用途に対応できる柔軟なパブリック・クラウド。

用途に応じて、特長の異なる3つのタイプから最適なサーバ・リソースを選択できるのが特長。3タイプの組み合わせや変更はオンラインで自由に行うことができ、ユーザーが用途に応じてシステムを最適化できるとしている。

3タイプのうち「性能保証タイプ」は、安定した処理性能を必要とするユーザー向けに、CPUが確実に割り当てられる仮想サーバを提供する。1core/3GBから12core/48GBまでの16種類から選択可能であり、月額費用は5,800円(税別)から。

「ベストエフォートタイプ」は、CPUを分配利用することで低コストを実現した仮想サーバ。1vcore/1GBから16vcore/24GBまでの16種類から選択可能であり、1時間単位の従量課金制で、月額費用は1,100円(同)から。

「専有タイプ」は、高負荷に耐えうる高いI/O性能を求めるユーザー向けに、仮想化した専有サーバを提供する。物理的に他のサーバから切り離したセキュアな環境で、16core/96GB SSDまたは16core/サンディスク製で192GBの高速フラッシュ・ストレージを搭載したサーバを利用できる。月額費用は10万5,000円(同)から。

また、稼働中の仮想サーバからOSイメージを専用領域に保管することで、それを元にした迅速なサーバ構築が可能。運用負荷が軽減し、高負荷時のスケール・アウトやパッチの適用にもスピーディに対応できるという。カスタムOSイメージを保管する専用領域は保管容量に応じた従量課金であり、無駄なコストが発生しないとのこと。

プライベートリソースは、オンプレミス環境で構築したシステムをそのまま移設でき、企業の基幹システムにも利用できる信頼性の高いプライベート・クラウドという。VMware仮想化環境と物理サーバを中心としたラインアップを提供し、ユーザー専用のリソースとして利用できる。

従来のIIJ GIOコンポーネントサービスでは対応していなかったオンライン申し込みが可能にした。ユーザーはコントロールパネル経由でサービスの即時利用(標準モデルの場合)とサーバ・リソースのセルフ管理が可能となり、1日単位で必要なリソースを増減できるとのこと。

最大24core対応のCPU、192GBのメモリ、帯域10Gbps対応など、同社の既存サービスと比べ、選択可能なサーバの性能が向上した。さらに、ディスクなどのサーバ・スペックはオンラインでのカスタマイズが可能。より大容量なメモリの搭載により集約率を高め、ユーザー自身でシステム要件に沿ったサーバを設計・構築することができるとしている。

プライベートリソースの月額費用は、「仮想化プラットフォームVWシリーズ」が10万8,000円(税別)から、「物理サーバ シングルタイプ」と「物理サーバ クラスタタイプ」が7万5,000円(税別)から。