独フランクフルトにて開催されているスーパーコンピューティングに関する国際会議「ISC(International Supercomputing Conference)2015」において、7月13日(独時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)の処理能力ランキング「TOP500」の2015年7月版が発表された。

45回目となる今回の1位は、前回に引き続き、中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」となり、5回連続のトップ獲得となった。演算性能は前回から変わらず33.8627PFlopsとなっている。また、上位5位までは、前回と順位ならびに演算性能に変化はなく、2位が米オークリッジ国立研究所(ORNL)の「Titan」(17.590PFlops)、3位が米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sequoia」(17.173PFlops)、4位が日本の「京」(10.510PFlops)、5位が米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の「Mira」(8.586PFlops)となり、第41回の発表以降、変化はない。

順位に変化があったのは7位で、サウジアラビアKing Abdullah University of Science and Technologyの「Shaheen II」が5.537PFlopsで新たにランクイン。TOP500の歴史上、初めて中東のスパコンがトップ10入りを果たした。また、その結果、前回7位であった米テキサス大学の「Stampede」(5.168PFlops)が8位に、同8位であった独Forschungszentrum Juelich(FZJ)の「JUQUEEN」(5.009PFlops)が9位に、そして同9位であったDOE(米国エネルギー省)/NNSA(米国国家核安全保障局)/LLNLの「Vulcan」(4.293PFlops)が10位と、1つずつランクを下げることとなった。

TOP500に掲載されたシステムの性能を合計すると、361PFlopsとなり(前回は309PFlops)、1PFlops超のシステムも68システム(前回は50システム)へと増加した。また、何らかのアクセラレータ/コプロセッサを搭載したシステムは88システム(前回は75システム)となり、その内の52システムがNVIDIA、4システムがATI Radeon(AMD)、そして33システムがIntel MICアーキテクチャ(Xeon Phi)となっている。

システムベンダ別に見ると、HP製が178システム(前回153システム)、IBM製が111システム(同153システム)、Cray製が71システム(同62システム)となっている。また、国/地域別で見ると、米国が前回から2システム増の233システム、次いで欧州141システム(前回130システム)、日本が39システム(同32システム)、中国が37システム(同61システム)となっており、アジア全体でも120システム(同108システム)となっている。なお、日本勢の1PFlops超のシステムは、4位の京のほか、22位に東京工業大学の「TSUBAME2.5」(前回15位)、27位に核融合科学研究所の「Plasma Simulator」(前回224位)、51位に国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の「Helios」(前回38位)、53位に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「SORA-MA」(前回なし)、54位に東京大学 物性研究所の「Sekirei」(前回なし)、65位に東京大学情報基盤センターの「Oakleaf-FX」(同48位)、67位に九州大学の「QUARETTO」(同49位)となっているほか、1PFlopsには到達しなかったが、70位に0.9896PFlopsで理化学研究所の「HOKUSAI GreatWave」、71位に気象庁気象研究所のシステム(名称なし)が同じく0.9896PFlopsがそれぞれランクインしている。

中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」の外観

2015年7月に発表された第45回 TOP500の上位10システムの一覧