「零戦里帰りプロジェクト」を推進するゼロエンタープライズ・ジャパンは7月7日、「零式艦上戦闘機(以下、零戦)」の組み立てを海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)内で完了し、エンジン始動テストを実施した。

零式艦上戦闘機のエンジン始動テストの様子

同プロジェクトは石塚政秀氏が発起し、2008年に米国で購入・所有してきた日本人所有では唯一となる零戦を日本に里帰りさせ国内での飛行実現を目指し、2012年9月に正式に発足。2013年9月には同プロジェクトを推進する母体としてゼロエンターを設立し、戦後70年を振り返ることを目的に同機を2014年11月5日に入国させ、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)内で分割管理されていた。

零式艦上戦闘機と石塚政秀氏(ゼロエンタープライズ・ジャパン取締役)

今回の組み立ては、同機がアメリカ連邦航空局(以下、FAA)の所属機であることから、FAA公認整備士資格のA&PおよびIA(Inspection Authorization)を有するデイビッド・アレン(DAVID ALLEN)氏を米国から招へいし、アレン氏の指揮監督下のもと、約8日間で完了した。エンジンの始動についても、同氏の監督下でエンジンおよびプロペラ部分の不具合を確認するために実施された。

今後、国内での飛行に向けて所轄官庁に申請し、許可が得られれば飛行が実現する。飛行に際してはあらためて米国から操縦士を招へいし、実行することになる。なお、国内に飛行可能な零戦がないことから零戦の免許を取得した日本人操縦士が存在しないため、今回は米国の操縦士による飛行となる。

零式艦上戦闘機

ゼロエンターは初飛行実現に向けて関係各所との調整を急ぎながら、飛行に必要な資金を調達するため、ファンクラブやサポートクラブの会員、また、広く企業からの協賛を募り戦後70年の記念飛行の実現を目指している。