コンビニなどで会計をする際、「ポイント、お貯めしてよろしいですか?」と聞かれることが多いと思いますが、みなさんはポイントを貯めていますか? おそらく「ポイント、使ってもよろしいですか?」と聞かれることはほとんどないはずですが、これには販売側の理由があるのです。

ポイントはできる限りその場で使うべきです

「コツコツ貯める=良いこと」と思っていませんか? コツコツ貯めるものが現金であれば、貯蓄にまわすことで多少の利息が付きます。貯蓄は、基本的に金額が増えることはあっても減ることにはなりませんので「良いこと」と思っても間違いではないと思います。

しかし、ポイントは現金とはちょっと違います。実はポイントに利息が付くことはほとんどなく、時間が経過したらポイントが自動的に増えている……という話はあまり聞いたことがありません。それでもポイントを貯め続ける人が多いのは、「貯まったポイントを使って、後で大きな買い物をしたい」という消費者の心理を販売側が知っているからです。また、「ポイントが貯まっている」という達成感や満足感が生まれてきますので、やっぱりポイントは貯めた方がいい……と思ってしまうのです。

つまり、付与されたポイントを貯め続けるということは、心理的な面でのプラス効果はあっても、金額面でのプラスはほとんど望めません。ですから「ポイントはその場で使う」ことが鉄則と考えられます。

賢いポイントの使い方の例としては、会計を2回に分けるという方法があります。例えば、家電量販店などで2万円の炊飯器を購入し、その他に洗剤などを購入する予定があったとします。この場合、一般的には炊飯器と洗剤などの日用品を一緒にレジに持って行ってまとめて会計をし、ポイントを付与してもらうことになると思います。しかし、賢者はこの会計を2回に分けます。

まず、2万円の炊飯器を購入して10% (2,000円相当) のポイントが付与されたと仮定します。この会計が済んだ後、付与された10%分のポイントを使って洗剤などの日用品の買い物をします。ポイントで支払うことにより、使わなかった現金2,000円分をコツコツと貯蓄に回すことで少しずつお金を貯めていくことが可能となりますので、家電量販店などではこの会計方法がオススメです。

貯め続けることでリスクが発生することもあります

忘れがちなのは、ポイントには「価値が消滅するリスク」があるということです。ポイントを使おうと思ったら有効期限が切れていた、閉店していた、店舗のサイトが閉鎖されていた……といったことを経験したことはありませんか?

現金であれば、(可能性としてはゼロではありませんが) 今日からまったく使えなくなるということは、日常生活において考慮する必要はないと思います。しかし、ポイントは使わなければ1円も得しないことになります。

ポイントサービスは、お店にとっては顧客を囲い込むための施策です。コツコツ貯めてくれた方がリピート率も高くなりますので、冒頭のように「お貯めしてもよろしいですか?」と都度レジで聞くことになるわけです。

なお、複数のお店のポイントカードを保有していると、ポイントが分散して使いたいときに使いにくい状況になります。また、お財布の中がポイントカードでパンパンに膨れてしまい、見た目もよくありません。ポイントカードそのものは、まとめた方が理想的とも言われています。

ポイントは付与してもらうことが最も「得」になるのですが、そのポイントをしっかり活用できるよう、一度使い方を見直してみてもいいでしょう。

教えてくれたのは……

ファイナンシャルカウンセラー 杉浦 詔子さん

みはまライフプランニング ファイナンシャルプランナー、カウンセラー。会社員・公務員・派遣社員・パート・アルバイト、会社員の配偶者様、育児介護休職者、退職者の皆様とそのご家族等へのキャリアプラン (生活) とライフプラン (家計) の相談と講義、執筆を行っています。女性のキャリアと家族や恋愛等コミュニケーションに関する相談、FP等資格取得支援にも力を入れています。


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