東京都・小平市の武蔵野美術大学美術館は、展覧会「ムサビのデザインV:1960-80年代、日本のグラフィックデザイン -寄贈記念 永井一正・田中一光・福田繁雄・石岡瑛子のポスターから」を開催する。会期は9月1日~11月7日(日曜・祝日休館、ただし9月21日・10月25日・11月3日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。

「アサヒスタイニー」1965年 永井一正

「JAPAN」1988年 永井一正

「第9回産経観世能」1962年 田中一光 (c) Ikko Tanaka / licensed by DNPartcom

「Nihon Buyo」1981年 田中一光 (c) Ikko Tanaka / licensed by DNPartcom

同展は、1960年代から80年代の日本におけるグラフィックデザインに焦点を当て、永井一正、田中一光、福田繁雄、石岡瑛子4名のデザイナーの作品およそ150点を展示するもの。1960年代から80年代は、東京オリンピック(1964年)や日本万国博覧会(1970年)の開催に象徴されるように、日本が飛躍的な経済成長を遂げ成熟期へと推移していった時代で、グラフィックデザイナーへの要望も高まっていった時代でもある。従来主に企業に所属していたグラフィックデザイナーが、クリエーターを統括するアートディレクターへと担う役割が変化したり、ぺルソナ展をはじめとするデザイン展の開催や、宣伝美術協会や日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)などの団体の設立などによりデザイン振興に一層拍車がかかったという。こうした世の中の動向に伴う変化に加え、印刷のデジタル技術、写真製版からスキャナーによる製版へといった変化が、グラフィックデザインにより多様な表現をもたらしたという。同展では、この時期、第一線で活躍した永井一正・田中一光・福田繁雄・石岡瑛子のポスターをデザイナーごとに展示し、それぞれの年代を追って見ることで、当時の雰囲気はもとより、各人の表現がいかに変化していったかを見ることができるような構成で展示を行うということだ。

「VICTORY」1971年 福田繁雄

「KYOGEN」1981年 福田繁雄

「120日の太陽が真上に燃えるとき 資生堂サマー化粧品」1966年 石岡瑛子

「西洋は東洋を着こなせるか」1979年 石岡瑛子

また、関連イベントとして、武蔵野美術大学の教授による講演会「1960-80年代、日本のグラフィックデザイン(仮)」が開催される。開催日時は10月3日14:00~15:30。入場無料。そのほか、企画中のイベントに関しては後日同美術館Webサイトにて掲載されるということだ。