グレープシティは7月6日、AR(拡張現実)アプリの大手ベンダーであるオーストリアのWikitudeとの正式パートナー契約を締結したと発表した。これにより、グレープシティは、ARアプリ開発者向けのSDKや、ARコンテンツを制作できるサービスなど、Wikitude製品の日本市場における独占的販売権を獲得した。

販売開始は2015年の秋を予定。提供が予定されている「Wikitude SDK」は、現実世界の風景にデジタル情報を付加することができるモバイルアプリ開発用のソフトウェア開発キット(SDK)。特定の画像をモバイルカメラで認識すると、任意の画像や3Dモデル、動画、HTMLコンテンツといったデジタルコンテンツを風景に重ねて表示する「画像認識型」と、GPSなどの位置情報に紐付けてデジタルコンテンツを表示する「ロケーションベース型」双方に対応している。HTML5/JavaScript/CSSのWeb標準技術でARアプリを開発できるため、Androidアプリ、iOSアプリの両方を同じ手法で開発できるほか、ウェアラブルデバイスとして期待されているスマートグラスアプリの開発にも使用できる。

また、ノンプログラミングでARコンテンツを体験したり制作・管理したりできるWebサービス「Wikitude Studio」や、大規模ARアプリ開発向けのAPI「Wikitude Targets API」の提供も予定されている。

「Wikitude Studio」概要

グレープシティは、Wikitude製品を順次日本市場に投入するとともに、日本語マニュアルや技術サポート、ARサービスの日本語化など日本のユーザーが使いやすい環境を提供していくとしている。