日本HPは7月2日、スケールアウト・コンピュート・プラットフォーム「HP Apollo」ファミリーの新製品として、ビッグデータに最適化した「HP Apollo 4000シリーズ」2機種を発売した。価格は66万7,000円(税別)から。

HP Apollo 4200 Systemの外観

近年急速に普及しつつあるオブジェクト・ストレージや、国内でも主流なテクノロジーとなったApache Hadoopなど、ペタバイト(PB)級のスケーラビリティを持つソフトウェア・ベースの分散型ストレージでは、高密度実装やシンプルな拡張性、柔軟性を持つサーバ・プラットフォームが求められるという。同社は、今回発売した新製品により、この要件に応えるとしている。

同社は併せて、Apache Hadoopディストリビューションである「Cloudera Enterprise」と「Hortonworks Data Platform(HDP)」、オブジェクト・ストレージ「Scality Ring」の販売開始も発表した。

Cloudera Enterprise Basic Editionの1年巻の標準時間サポート付 フレック・スライセンスの価格は26万5,000円(税別)から、Scality RINGの200TBベース・ライセンスの価格は961万5,000円(同)からで、いずれも7月2日に発売した。Hortonworks Data Platform Enterpriseは2015年夏に提供開始予定。

これまでもリファレンス構成や技術情報の公開など、積極的な情報発信をしてきたというこれらのソリューションに関し、同社は今後、販売まで含めて総合的に取り組み、各社の日本法人と共同で国内市場を牽引するとのことだ。

新製品のうち「HP Apollo 4200 System」は、従来比で2倍の内蔵データを収容可能な2Uラック・サーバ。2Uサイズに最大224TBとなる28本の3.5インチ(LFF)ドライブまたは50本の2.5インチ(SFF)ドライブを内蔵で可能であり、標準的な2Uラック・サーバとして、既存のラックをそのまま利用できるとのこと。価格は66万7,000円(税別)から。

同じく「HP Apollo 4530 System」は、1ラックにペタバイト級ストレージを実現する高密度サーバ。4Uラック型シャーシに3台のサーバ・ノードと各ノード15本の3.5インチ(LFF)ドライブを提供。Hadoopやビッグデータ分析など、CPUパワーとスピンドル数のバランスを重視する場合に最適という。価格は229万1,000円(税別)から。

Apollo 4000は「HP Moonshot」との組み合わせにより、Hadoopインフラ基盤である「HP Big Data Reference Architecture」を構成する。このリファレンス・アーキテクチャでは、標準的なHadoopディストリビューションの非対称的な展開が可能となり、ユーザーは必要に応じてストレージとComputeを別々に拡張できるという。これにより従来の最大2倍の処理能力を半分の物理スペースで実現し、TCOの大きな削減とパフォーマンスおよび消費電力の効率を改善するとしている。