NECは6月29日、サイバー攻撃に対して、情報とスピードを重視し、先読みして対策を打つ「プロアクティブサイバーセキュリティ」を実現する「NEC Cyber Security Platform(サイバーセキュリティプラットフォーム)」の販売を開始した。

これは、高度化するサイバー攻撃の対策に必要となるさまざまな機能を備えた基盤製品。同製品を活用したソリューションの第1弾として、「脅威・脆弱性情報管理ソリューション」を提供する。

NECのサイバーセキュリティ・ソリューション

「NEC Cyber Security Platform」の特長の1つは、確認が難しかった脆弱性を素早く精密に調査できること。新たな脆弱性情報が配信された際、情報システムの脆弱性の有無をサーバだけでなく個々のPCまでオンデマンドで素早く自動調査できる。アプリケーションを構成する各ファイルのバージョンやサイズ、レジストリ設定値も調査するため、購入したアプリケーションに含まれながら意識せずに利用されるOpenSSLなどのソフトウェアのように、これまで確認が難しかった脆弱性も発見できる。

また、脆弱性情報やパッチ情報だけでなく、パッチが当てられないシステムへ設定変更などの対応策も含めて提示するため、すぐにはパッチが当てられない情報システムに対しても効果的な脆弱性対策を行うことが可能となる。さらに、オンデマンド調査で脆弱性が内在する機器を特定するだけでなく、対策の実施状況も表示する。

そのほか、PCやサーバなどのレジストリ設定値などの書き換えを含めてきめ細かく調査するので、攻撃後に自己消去するような従来では検知の難しいマルウェアの攻撃も素早く検知し、攻撃検知後に被害が自社の情報システムのどこまで拡散しているかを把握できる。

NECによると、同製品の導入により、脅威・脆弱性情報への対処が必要なサーバ・PCの特定、対策の立案を支援、対策作業の削減が実現されるという。サーバ、PCが1000台規模の場合、新たな脆弱性が発見された際の費用を1回当たり約500万円以上削減できると見込まれている。