そのジェスチャーは海外で危険かも……

親指を立てたジェスチャーは、日本では「グッジョブ! 」を意味するが、実は中東や西アフリカ、南米などでは侮蔑の意味になるという。このように、ジェスチャーはその国・地域によって意味が真反対になることもある。そこで日本に住む外国人20人に、「母国ではNGな日本人の仕草やジェスチャー」を聞いてみた。

使うと危険!

・「逆ピースサインは相手を侮辱するサイン」(イギリス/30歳/男性)

・「オッケーという指サイン。ブラジルでは『肛門』を意味し、侮蔑的なニュアンスがある。もしくは『セックス』を意味する」(ブラジル/30歳/女性)

・「人を呼ぶ時のジェスチャーが日本と中国とでは真逆。日本では『来い』の意味ででも、中国では『どっか行って』になる」(中国/28歳/女性)

・「日本人がよく使うお金のジェスチャーは、シリアでは相手を脅かす時に使う。また、NGではないが、5という数字を手で表す時、日本人は手のひらを相手の顔に向けるが、シリアでは自分の方に手のひらを向ける」(シリア/35歳/男性)

・「NGというか、小指を立てるは『彼氏』という意味ではなく、『ゲイ』と言う意味になる」(フランス/30歳/男性)

危険ではないものの……

・「ジェスチャーではないが、麺類を食べる時に出す音などは母国でNG」(アメリカ/26歳/男性)

・「音を立てて鼻をすする」(イタリア/38歳/女性)

・「食べる時に音を立てる」(スペイン/32歳/女性)

・「NGと思われるものはあまりないと思う。会計の合図とか、通じないものもいっぱいあるだろうが」(カナダ/31歳/男性)

・「年上の人の頭を触ってはいけない」(タイ/30歳/女性)

・「頭をなでる」(ミャンマー/32歳/女性)

そのほか

・「目玉をきょろきょろすること」(韓国/48歳/男性)

・「右手を斜め上に伸ばすはナチスドイツの挨拶なのでNG」(ドイツ/39歳/男性)

・「無言で集団行動」(トルコ/39歳/男性)

・「賛成しなくても『はい、はい』と言うこと」(フィンランド/27歳/男性)

・「ものを食べる時、いつも『おいしい』『うまい』と目や口をOにして大げさにほめること」(ベトナム/31歳/女性)

・「手招き、相手としゃべる時にお辞儀すること、話す時に目を合わさない」(マレーシア/36歳/女性)

・「カフェやレストランでウェイターを手で呼ぶこと」(オランダ/44歳/女性)

総評

国や地域によっては侮蔑的な意味を帯びることもあるオッケーサインや逆ピースサインを日常的に使っている人も少なくないだろう。そのほか、小指を立てると中国では「できの悪い人」という意味の侮蔑になるほか、手のひらを向けることはギリシャでは顔に泥を塗ることを連想させる侮蔑になるなど、身近なジェスチャーにも危険が潜んでいるようだ。

危険というほどではないが、マナーとして指摘があったのが飲食での音。日本でも蕎麦やラーメンのような麺類に対してのみ適用されるようなものなので、多くの外国人にとってタブーである以上、その場の雰囲気をうかがう必要があるといえるだろう。また、かわいい子供がいるとつい頭をなでたくなるだろうが、アジアの多くでは頭は神聖な場所と認識されているので、他人が触れるのはご法度となっている。

無意識なジェスチャーを自制するのは難しいだろうが、海外に行く時はあらぬトラブルを招かないためにも、その国・地域ならではの文化や風習を事前に理解しておいた方がいいだろう。

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