アフラック(アメリカンファミリー生命保険)は26日、社会貢献の一環として運営している高校生を対象とした奨学金制度の2015年度の新規奨学生が決定したと発表した。決定人数は「アフラックがん遺児奨学金」で121名、「アフラック小児がん経験者奨学金」で20名の合計141名となった。

これまでに2,220名の高校生を支援

1995年の制度設立以来、奨学生の総数は2,020名となり、奨学金給付額は累計で13億円を超えた。

奨学生数及び奨学金給付額の推移(累計)

「アフラックがん遺児奨学金」

  • 「がん」で主たる生計維持者を亡くし、経済的理由から修学の機会が狭められている高校生への支援を目的とした奨学金制度。2015年度の募集には、全国から267名の応募があり、このうち121名を新規奨学生として決定した

「アフラック小児がん経験者奨学金」

  • 小児がんを患った経験を持つ高校生への支援を目的とした制度。全国から79名の応募があり、20名を新規奨学生として決定した

2015年度の応募者346名のうち、がん遺児奨学金では約9割が母子世帯。また、小児がん経験者奨学金では4割以上が母子世帯で、現在も継続的な治療を受けている子どもたちは約4割を占めている。遠隔地の自宅を離れて大都市圏の専門病院に入院・通院する場合には、医療費に加え、付き添う家族の交通費や宿泊費など経済的に大きな負担がかかるという。

なお、応募者の平均世帯年間収入は、がん遺児奨学金では142万円、小児がん経験者奨学金では313万円で、これは日本の「児童のいる世帯」の平均収入658万円を大きく下回っているという。2010年4月から、国の公立高校無償化や高等学校就学支援金制度により授業料負担が軽減されたものの、入学金や教材費、通学費などの高校生活にまつわる費用の総額は、公立高校で年間約23万円、私立高校で約72万円となっており、がんで主たる生計維持者を亡くした世帯や小児がんを患った経験を持つ子どもがいる家計にとって、教育費が負担になっていることは依然として変わっていないのが実情だという。

同社は、多くの人々の「生きる」を創る保険会社として、社会における課題の解決と持続的な成長をめざし、社会と共有できる価値の創造(CSV(Creating Shared Value)経営)に努めていくとしている。