米IBMは6月22日(現地時間)、エンタープライズ・クラウド・アプリケーションの開発者向けにDockerベースのコンテナ・サービスを提供すると発表した。同コンテナの利用により、ユーザーは自社のハイブリッド環境で実働するアプリケーションを容易に配信可能になるという。

同コンテナにより、開発者は1度開発するだけでアプリケーションを柔軟に移動可能になるため、コードを再度作成してデプロイする必要が無くなるとのこと。同社のPaaSである「Bluemix」上で構築したDockerベースの「IBM Containers」は、統合の迅速化とアナリティクス/ビッグデータ/セキュリティ・サービスへのアクセスの高速化を可能にする、より効率的な環境を実現するとしている。

これにより多くの企業が、IBM/Docker/Cloud Foundry/OpenStackを組み合わせて利用し、移植性に優れる新世代の分散アプリケーションを構築可能になるとのことだ。

同社は併せて、オープン・コンテナ・プラットフォーム(OCP)の開発を通じてコンテナの相互運用性を確保することを目的とした、パートナーとユーザーによる協力体制の創設メンバーとなったことを発表した。 OCPの開発により、コンテナ・ベース・ソリューションの急速な普及を促す協力体制を築き、業界共通のアプローチと方向性を開発者に提供することを目指すとしている。

IBM Containersサービスは、早期市場投入/アプリケーションのシームレスな移植性/エンタープライズ・アプリケーションの信用と信頼性の向上に重点を置くエンタープライズに、大きなビジネス上の利点を提供するとのこと。これにより、DevOpsバリュー・チェーン全体の構成管理を効率化でき、開発時間の短縮とコストの削減が実現するという。

また同社は、Docker上でJavaの業界最高のパフォーマンスを実証したという。 「IBM Java」は同サービスと組み合わせて利用することで2倍の速度を達成するよう最適化しており、メモリ消費量が半分になるとしている。さらに、DockerベースのサービスであるIBM Containersは、オープンな機能と新しいDocker Composeオーケストレーション・サービスなどのインタフェースを搭載しているとのこと。

同コンテナのDevOpsサポートにより、企業はマルチ・プラットフォーム/マルチ・コンテナ/通常のワークロードの展開を、複数のアプリケーション環境で同時に構築・自動化・調整できるとしている。

アプリケーションやデリバリー・パイプラインの開発/テスト/ステージング/実働の段階に関わらず、同コンテナはエンタープライズ・クラスの管理とセキュリティを利用して、多様なクラウド環境間のワークロードの移動を支援するとのこと。開発者はハイブリッド・クラウドの枠を超えて取り組み、オンプレミスのDocker Trusted Registryとクラウド・ベースの同コンテナのサービスを統合することで、クラウド開発に必要なものをナビゲートできるとしている。