東京都・新宿の東京オペラシティ アートギャラリーは、熊野での撮影をライフワークとし、大判カメラで撮影を行う写真家の個展「鈴木理策写真展 意識の流れ」を開催する。会期は7月18日~9月23日(8月2日・月曜休館、月曜が祝日の場合は翌火曜日休館、ただし9月22日は開館)。開館時間は11:00~19:00(金・土は20:00まで)。入場料は一般1,200円、大学・高校生は800円、中学生以下無料。

「水鏡14, WM-61」2014年 (c)Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

「SAKURA 10,4-45」2010年 (c)Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

「white 09, H-343」2009年 (c)Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

同展は、写真家・鈴木理策の約8年ぶりとなる東京での大規模個展で、新作と未発表作、映像作品を中心に、約100点が公開されるもの。鈴木は熊野での撮影をライフワークとし、また、雪や桜を含む自然をモティーフにした作品の制作も継続的に行っている。

「海と山のあいだ14, DK-335」2014年 (c)Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

「海と山のあいだ08,DK-3」2008年 (c)Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

「海と山のあいだ14,DK-507」2014年 (c)Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

同展の見どころのひとつは、鈴木自身による展示構成である。シークエンス(連続性)を意識した展示では、鈴木のまなざしを追体験することができる。また、大判カメラで撮影され、印画紙の最大幅1.2mをもちいた大きな画面に引き伸ばされた写真には、実際の風景を目の前にした時のようなリアリティがあり、常に見る対象を選択している我々の眼と、存在する対象をありのまま写しとるカメラの機能の差異を浮かび上がらせる。鈴木氏によれば、一連の写真には我々の眼が画面の隅々まで行き渡るような「仕掛け」があるというということだ。また、同展で公開される映像作品3点は、鈴木が関心を寄せるデジタルカメラで撮影されたもので、スティル写真、動画、動画の静止画からなる作品には「見ること」と「見ている時間」をめぐる鈴木の考察と実験精神がうかがえる。

そのほか、関連企画として熊野で生まれ育ったブルースマン、濱口祐自によるライブが開催される。開催日時は7月30日19:30~。また、鈴木理策との対談シリーズ「木曜教室」が全3回で開催される。対談1は宗教人類学者・植島啓司(8月6日)、対談2は写真家・石川直樹(8月27日)、対談3は美術批評・清水穣(9月10日)、各回19:30~。いずれも参加に際しては、当日の一般入場券が必要となる。参加申込などの詳細は同ギャラリーWebページより。