東京商工会議所は6月24日、中小企業の景況感をより正確に把握することを目的に、「東商けいきょう集計(中小企業の景況感に関する調査)2015年4~6月期」を実施し、その結果を発表した。

調査期間は、5月21日から6月1日、対象は東京23区の中小企業2,424社。調査はFAXおよび聴き取りで行い、回答数は878社(回答率36.2%)。

「業況DI(前年同期比)」は、前期と比べ8.1ポイント改善し、▲0.7と調査開始以来の最高水準だという。前年同期は増税後の反動減があったこともあり、今回大幅な改善につなだったのではないかとみている。業種別では、小売業は依然マイナス圏ながら、121ポイント改善し▲15.2となったほか、サービス業が11.4ポイント改善し5期ぶりにプラス圏に回復するなど、高水準を保つ建設業を除く全業種(製造・卸売・小売・サービス)で改善。なお、来期の見通し(前年同期比)は、今期と比べ0.4ポイント増とほぼ横ばいを見込んでいる。

業況DIの推移(全業種) 資料:東京商工会議所

「売上DI(前年同期比・全業種)」は、前期と比べ12.7ポイント改善し3.9と5期ぶりにプラス圏となり、全業種で改善が見られた。業種別では、訪日外国人客の増加などにより、小売業は20.2ポイント改善し▲11.4、サービス業でも14.8ポイント改善し11.2となった。来期の見通し(前年同期比・全業種)は、今期と比べ2.5ポイント改善し6.4を見込んでいる。

売上DIの推移(全業種) 資料:東京商工会議所

「採算DI(今期水準、「黒字」と回答した企業/「赤字」と回答した企業の割合・全業種)」は、前期から3.5ポイント改善し19.1となった。円安による原材料価格上昇には引き続き苦しむものの、在庫圧縮やコスト削減などにより利益率の向上に取り組み、13期連続黒字超を維持。業種別では、製造業が4.4ポイント改善し21.3となり、建設業を除く全業種(製造・卸売・小売・サービス)で改善した。

採算DIの推移(全業種) 資料:東京商工会議所

「資金繰りDI(前年同期比・全業種)」は、前期と比べ6.5ポイント改善し▲2.5となった。

資金繰りDIの推移(全業種) 資料:東京商工会議所