クラレは6月22日、子どもが「将来就きたい職業」と、その親が「就かせたい職業」の調査結果を小学校入学時と卒業時で比較して発表した。

小学校入学時の調査は2008年5月上旬~12月31日、2009年4月に入学した子ども4,000人とその親4,000人を対象に、アンケートはがきで行われた。卒業時の調査は2015年1月12日~3月31日、今年3月に小学校を卒業した子ども977人とその親853人を対象にインターネット上で行われた。

男の子が「将来就きたい職業」トップ10の比較

男の子の「将来就きたい職業」は、入学時と卒業時のどちらも「スポーツ選手」が1位になった。しかし、回答比は入学時が28.6%だったのに対し、卒業時は18.6%と大きく低下している。入学時と卒業時で10位以内に入ったのは、「スポーツ選手」と「医師」「警察官」「運転士・運転手」の4つ。

卒業時に2位になっている「研究者」(9.8%)は、入学時ではランク外だった。同じように、「会社員」も入学時はランク外だったが、卒業時には2.6%の回答を得て8位になっている。

次に、男の子の親に聞いた「就かせたい職業」では、入学時に16.0%で1位だった「スポーツ選手」が、卒業時には4.1%で8位まで下がっていた。

男の子の親が「就かせたい職業」トップ10の比較

男の子の回答で、入学時と卒業時のどちらも1位だったスポーツ選手。スポーツ選手志望者の競技種目に注目してみると、入学時と卒業時では「サッカー」「野球」の比率に大きな変化はなかった。サッカーが4割強、野球が3割強の回答を集めている。

「男の子」「スポーツ選手」志望者の競技比率

一方で、親には大きな変化があった。入学時は「サッカー」と「野球」がともに3割だったのに対し、卒業時にはサッカーが6割を占め、野球は1割まで低下していた。

「男の子の親」「スポーツ選手」志望者の競技比率

女の子の「将来就きたい職業」は、「ケーキ屋・パン屋」が入学時に34.7%の回答を得て圧倒的な人気だったが、卒業時には5.5%まで下がっている。

「リケジョ」の象徴である「研究者」(4.1%)が7位にランクインしたのは、「研究職に就く女性や大学の理系学部へ進学する女性が年々増加傾向にあり、『リケジョ』を身近に感じられる機会が増えたからではないか」と調査は分析している。

女の子が「将来就きたい職業」トップ10の比較

女の子の親が子どもに「就かせたい職業」では、入学時1位だった「ケーキ屋・パン屋」(12.1%)が、卒業時にはランク外になっている。

さらに、入学時は女の子と親の志望する職業が7つ一致していたが、卒業時には5つまで減少していることが分かった。

女の子の親が「就かせたい職業」トップ10の比較