『しんがり 山一證券 最後の聖戦』原作の清武英利氏

読売巨人軍の球団代表を解任され、現在はジャーナリストとして活動する清武英利氏のノンフィクション小説『しんがり 山一證券 最後の12人』が、WOWOWで連続ドラマ化されることが、明らかになった。日曜22時の連続ドラマW枠で『しんがり 山一證券 最後の聖戦』として9月に放送される。

同作は、清武氏が読売新聞記者時代から追いかけてきた、かつて四大証券の一角を占めた山一證券が舞台。1997年11月、突然"自主廃業"を発表した同社は、幹部ですら直前まで、約2,600億円もの帳簿外の債務があったことを知らされていなかった。

当時の大蔵省や銀行に見捨てられた"沈没船"から、役員までもが逃げ出す中、最後まで会社に踏みとどまり、この真相究明と顧客への清算業務を続けたのは、社内から煙たがられた部署のメンバー。簿外債務はいつ、どのように生まれ、隠し続けられたのか――戦に敗れて退く際に最後尾で戦う、まさに"しんがり"と言える社員たちの姿を描く社会派作品だ。

原作:清武英利『しんがり 山一證券 最後の12人』(講談社)

清武氏は「しんがりたちはドラマに向いていないと思っていた。彼らは半沢直樹のようなスーパーマンではなく、何事もなければ他人に知られることもなかった普通のサラリーマンでありOLだから」と、映像化に予想外の様子。それでも「もしもこのドラマに心を動かされる人がいたとしたら、その人の中にも"しんがり人"と同じような抵抗と希望のちからが潜んでいるからだと思う」と、メッセージを寄せている。

キャスト、放送日は後日発表。監督は、映画『柘榴坂の仇討』のほか、WOWOWでも『ドラマW チキンレース』のメガホンを取った若松節朗。脚本は『相棒』シリーズを手掛ける戸田山雅司が担当する。