「施策」と書いてあるとき、あなたは「しさく」と「せさく」、どちらで読むでしょうか? 実は施策の読み方は言葉をあやつるプロですら間違えてしまうことがある、読み方を間違えやすい言葉なのです。施策の読み方についてご紹介いたします。

  • 施策の読み方はしさくとせさくのどっち?

■「施策」は「しさく」? 「せさく」?

「施策」の読み方は「しさく」が正しい読み方で、策をほどこすこと、実行するべき計画という意味で使われる言葉です。ちなみに「せさく」は施策の慣用読みです。慣用読みとは正式な読み方ではないけれど、よく用いられている読み方のことで、雰囲気を「ふいんき(正しくはふんいき)」と読んだり、有り得るを「ありえる(正しくはありうる)」と読んだりすることも慣用読みとなります。

■「せさく」は行政でよく使われている?

施策を「せさく」と読むのは間違いではあるのですが、そうは言っても「せさく」はよく耳にするため、間違いと言われてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。なぜ「せさく」という読み方に違和感を覚えないのかというと、行政用語で「施策」を「せさく」と読むことが多いからかもしれません。

「しさく」の同音類義語には「試作」「思索」もあります。そのため行政では、それらの意味取り違えのないように「せさく」と読む場合があるようです。ただし正しい読み方にこだわる行政の人も中にはいて、実際には「しさく」「せさく」が混同して使われているようです。

■放送では「しさく」に統一

NHKの平成24年10月「視聴者対応報告」によると、放送での誤読やテロップミスについて視聴者から指摘があった例として「施策」についてが取り上げられていました。同資料によるとニュース番組で施策を「しさく」ではなく「せさく」と誤読していたと視聴者からの指摘を受けNHKでは、せさくは誤り、しさくが正しい読み方だったとしています。つまり施策は「しさく」と読むのが正しく、さらに言葉をあやつるプロですら施策の読み方は間違いやすいということが伺えます。

文化庁による平成15年度「国語に関する世論調査」によると「しさく」と「せさく」、ふだんどちらで読むことが多いかという調査では、「しさく」が67.6%、「せさく」が26.1%という結果だったようです。果たして今はどのような割合になっているのでしょうか? ともあれ「施策」は読み方を間違いやすい言葉なので、ぜひ注意してみてください。

(画像は本文と関係ありません)