リニアテクノロジーは6月16日、1個または直列接続された2個のスーパーキャパシタの充電でアクティブ・バランス調整を行う、入力電流を設定可能な双方向昇降圧スーパーキャパシタ・チャージャ「LTC3110」の販売を開始したと発表した。

同製品は独自の低ノイズ昇降圧トポロジーにより2個の独立したスイッチング・レギュレータの役割を果たすことから、サイズ、コスト、開発の複雑さなどを低減することが可能。また、バックアップ・モードと充電モードの2つの動作モードがありバックアップ・モードでは、スーパーキャパシタに蓄えられたエネルギーによって、1.71V~5.25Vのシステム電圧VSYSを維持するほか、スーパーキャパシタ蓄電入力VCAPは実際の動作範囲が5.5V~0.1Vと広いため、スーパーキャパシタに蓄えられたエネルギーを実質的にすべて利用することが可能だ。

さらに主電源システムがアクティブな充電モードでは、自律的に、もしくは、ユーザ・コマンドを介して電力の流れる方向を反転させ、安定化されたシステム電圧を使ってスーパーキャパシタの充電とバランス調整を実施するほか、充電モードの平均入力電流制限を±2%の精度で最大2Aまでプログラム可能なため、コンデンサの再充電時間を最短にしながらシステム電源への過負荷を防ぐことが可能となっている。

加えて、入力電流制限と最大コンデンサ電圧を抵抗で設定することが可能なほか、平均入力電流は0.125A~2Aの設定範囲で高精度に制御可能。ピンで選択可能なBurst Mode動作により軽負荷時の効率改善が可能で、暗電流をスタンバイ時で40μA、シャットダウン時で1μA未満に減少させることが可能である。

なお、同製品は熱特性が改善された小型24ピンTSSOPパッケージおよび4mm×4mm QFNパッケージで供給されており、EグレードとIグレードは-40℃~+125℃、高信頼性のHグレードは-40℃~+150℃の動作温度範囲で仕様が規定されている。1000個時の参考価格はEグレードで4.45ドルからとなっており、同社の国内販売代理店各社経由にて入手が可能だという。

2A双方向昇降圧スーパーキャパシタ・チャージャ「LTC3110」のブロック図