近所の家の無線LANを無断で利用する、いわゆる"ただ乗り"行為により逮捕者が出たことを受けて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は12日、家庭内における無線LNAのセキュリティ設定の確認をするように注意喚起した。

IPAが2014年10月に実施した調査によると、自宅の無線LANの暗号化にについて「通信の暗号化を行っているかどうかわからない」が32.7%、「通信の暗号化を行っていない」が19.1%だった。半数以上が暗号化を意識しておらず、今回の事件を踏まえて、IPAでは改めて注意喚起をした形だ。

2014年10月にIPAが実施した意識調査

IPAによると、無線LANの不正利用により、通信内容の盗み見の恐れがあり、あらかじめ窃取したインターネットバンキングのID/パスワードを使った不正送金やクレジットカード番号でのオンラインショッピングをされてしまう恐れがあるとする。

また、迷惑メールの送信、違法ダウンロード等の不正行為の身元詐称に使われてしまう。過去には、不正利用により、不正にウェブサイトにアクセスし、殺人予告等を書き込んだとして未成年者が逮捕されたとの報道もあり、無線LAN環境の持ち主に嫌疑がかけられたこともあった。

さらには、家庭内で無線LAN環境を利用している端末内のデータ窃取の脅威があるという。親機経由でスマホなどの子機にアクセスし、端末内の情報を窃取される、子機の通信データの盗聴が行われるといったリスクがあるとしている。

IPAでは、無線LANの不正利用への対策として、暗号化方式をセキュリティレベルの高い「WPA2-PSK(AES)」にすることを推奨している。

一般的な暗号化方式の確認手順