エプソンは6月10日、2016年1月より開始されるマイナンバー制度に対する会計事務所向け支援サービスとして、会計システム「R4シリーズ」のマイナンバー制度への対応を2015年10月より順次開始すると発表した。

マイナンバーの専用データベース構造と運用イメージ

マイナンバー制度に対応するために、「R4シリーズ」では専用のデータベースを用意し、個人番号・法人番号の一元管理と専用のアクセス権限を設定。これにより、日本税理士連合会発行のマイナンバーガイドブックに即した、マイナンバーの収集から破棄までの運用を支援するという。

マイナンバーの安全運用を実現する専用データベースでの対応内容として、次の3点が挙げられている。

  • マイナンバーの一元管理と暗号化
  • マイナンバーの取り扱い権限管理とログ管理
  • 個人番号の廃棄リスト・アラート表示

「R4シリーズ」では、各アプリケーションに標準搭載される統合管理機能「Eiボード」内にマイナンバー専用のデータベースを用意し、一元管理する。さらに、個人番号をサーバーに格納する際には、暗号化(CRYPTREC 暗号ソフト)処理によるセキュアなデータ管理を行うことで、事務所内での安全管理・運用を支援。

また、システムのユーザー権限とは別に、マイナンバー専用の取り扱い権限設定が可能で、マイナンバー取り扱い権限がある場合のみ、帳票出力・電子申告・申請が可能となる。取り扱い権限がない場合は、帳票や画面などにマスキング処理がなされ、個人番号が表示されない。マイナンバーに関する処理を行った際には、ログ管理で利用履歴を把握し、日本税理士連合会の雛形に準じた「特定個人情報ファイル管理簿」を作成することができる。

さらに、個人データの関与終了日を入力することで、廃棄対象リストやアラートを表示し、データの消し忘れを防止することにより、確実な廃棄処理ができる。個人番号廃棄時には、ログとして記録保持し、顧問先提出用の「個人番号廃棄証明書」を発行することが可能。

同社では、マイナンバー制度導入にあたり、会計事務所として取り組まなければならないポイントや、「R4シリーズ」のマイナンバー管理・運用方法および情報漏洩対策などについて説明する「税理士のためのマイナンバー実務対応セミナー」を、2015年6月から主要エリアで順次開催する予定だ。