独ライカカメラは6月10日、コンパクトデジタルカメラの新シリーズとして、フルサイズセンサーを搭載する「ライカQ」を発表した。発売は6月末で、価格は未定だ。

ライカQ

ライカQは、有効2,420万画素の35mmフルサイズセンサーと「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」の明るいレンズを搭載するコンパクトデジタルカメラ。ISO感度は最高50000まで設定可能で、高感度撮影時においてもノイズを抑えながら、ディテールまで豊かに描写するという。

瞬時にピントを合わせるオートフォーカスを実現。十字キーのほか、タッチパネル式の液晶モニターでピントを合わせたい位置をタッチしてAFフレームを移動できる。ライブビュー撮影時は、ピントが合っている被写体の輪郭を強調する「フォーカスピーキング」と、画面の一部を最大6倍まで拡大して細部のピント合わせを厳密に行える「自動拡大」を利用可能だ。

画像処理エンジンには、「LEICA MAESTRO II」をライカQに最適化したものを採用。LEICA MAESTRO IIは、中判一眼レフカメラ「ライカS」(Typ007)に搭載される予定のものだ。ライカQでは、最大記録画素で秒間10コマの連写性能を実現。高精細かつレスポンスが早い368万ドットのEVF(電子ビューファインダー)によって、瞬時に構図を決められるとしている。

28mmの焦点距離のほか、ボタン操作で35mmまたは50mmの焦点距離の撮影範囲を示すブライトフレームを液晶モニター上に表示可能だ。35mmと50mmで撮影した画像はJPEG形式でのみ記録され、DNG形式では28mmでの撮影画像が記録される。

直感的な操作性も特徴。被写体に17cmまで近づいて撮影できるマクロモードに手動で切り替えられるほか、マニュアルフォーカスとオートフォーカスはレンズ鏡筒部分でスムーズに行える。

ボディには耐久性の高いマグネシウム合金、トップカバーには無垢のアルミニウムから削り出したものを採用。操作部の文字やシャッターダイヤルの文字はレーザーで刻印されている。背面にはサムレストを装備し、レザー外装には極小のダイヤモンドパターンを施すことでホールド性を高めた。

主な仕様は、撮像素子が有効2,420万画素のフルサイズCMOSセンサーで、対応感度がISO100~ISO50000、シャッター速度がメカニカルシャッターで30~1/2,000秒、電子シャッターで1/2,500~1/16,000秒。レンズは、非球面レンズ3枚を含む9群11枚の「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」で、開放絞りがF1.7、最小絞りがF16。

背面のモニターは約104万ドット・3型の液晶方式(タッチパネル)、利用可能な記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード、動画撮影時の記録画素数は最大1,920×1,080ドット/60p。Wi-Fi(無線LAN)接続機能を持ち、NFC(近距離無線通信)にも対応する。

バッテリーは容量1,200mAhの充電式リチウムイオンバッテリー。本体サイズはW130×D93×H80mm、重量は本体のみで約590g、バッテリーを含む状態で約640g。製品には画像処理ソフト「Adobe Photoshop Lightroom」が付属する(ユーザー登録後にダウンロードして入手)。

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