米Appleは8日(現地時間)、サンフランシスコで開催されたWWDC基調講演において、Apple Watch向けの初のメジャーソフトウェアアップデートとなるwatchOS 2の機能を発表した。Apple Watchの販売が開始されてからわずか6週間でのアナウンスとなる。

Apple Watchが発売されて6週間で新たなOSのプレビューとなった

開発者向けに提供されるwatchOS 2用WatchKitにおいては、これまでiPhoneに依存していたアプリ開発がネイティブで可能になり、Apple Watch単体で稼働するアプリが実現できる。新たにデジタルクラウンやTaptic Engine、心拍センサー、加速度センサー、マイクなどのハードウェアへのアクセスも可能となっている。また、ソフト面ではオーディオや動画の再生とアニメーションが可能。ClockKitフレームワークによって文字盤上のコンプリケーション(文字盤で使用するウィジェット)にデータを提供することもできる。

心拍数や加速度センサー、振動による通知などをサードパーティー製アプリが使用可能に

OSの新機能としては、文字盤にユーザーが写真を設定したり、手首を上げる度に指定したフォトアルバムから写真を表示することができる。また、Appleが用意したニューヨーク、ロンドン、上海などの24時間を記録したタイムプラス動画を文字盤に設定し、実際の時刻とシンクロさせて見ることができる。

アルバムの写真やタイムリープ動画をApple Watchの文字盤に

「タイムトラベル」機能では、デジタルクラウンを回すことで時刻表示に合わせて過去・現在・未来のスケジュールやイベント、天気を見たり、またフライト情報などサードパーティーからの情報も確認が可能。

「メール」にはリプライ機能が追加され、音声テキスト入力絵文字などで返信が可能に。FaceTimeオーディオでの通話にも対応。「友達」では複数のグループ作成機能が追加され、また手描きでスケッチを送信できるDigital Touchは複数カラーの使用が可能になる。

手描きスケッチを送受信できる「Digital Touch」が複数カラーに対応

この他、充電中に横置き表示に対応する「ナイトスタンドモード」や、Siriを使ったワークアウトの開始・グランスの起動・メール返信といった新機能を追加。iOS 9の新機能に合わせ、Walletと連携したポイントサービスやカードの利用、マップと連携した乗り換え案内や交通機関の詳細情報の確認にも対応する。セキュリティ面でApple IDでApple Watchを保護し、紛失・盗難時にワイプやアクティベーションを防ぐ「アクティベーションロック」機能が搭載される。

watchOS 2用のWatchKitを含むiOS 9 SDKベータは、iOSデベロッパプログラムメンバー向けに即日提供開始。watchOS 2は今秋提供開始予定となっている。なお、一部の機能は地域や言語を限定して提供される可能性がある。