ヤマト運輸は、岩手県の運行中のバス路線において、一定量の宅急便を積載できるように、車両後方の座席を減らして、荷台スペースを確保したバスを利用した「貨客混載」を開始した。荷台スペースには専用ボックスを搭載し、その中に宅急便を入れて輸送する。

荷台スペースを確保したバス

これは、過疎による乗客数の減少に悩むバス会社と、長距離トラックのドライバー不足に悩むヤマト運輸が、互いの課題を解決するために取り組むもの。

「貨客混載」を開始する路線バスは、岩手県北自動車が運行する岩手県盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」および、宮古市内から同市重茂半島を結ぶ一般路線バス(「重茂路線バス」)。ヤマト運輸の物流ターミナルから宮古営業所までの運行途中にある盛岡西営業所まで大型トラックで幹線輸送し、同営業所で主に重茂半島行きの宅急便を「都市間路線バス」に積み替え、宮古営業所まで輸送。また、宮古営業所から重茂半島までを「重茂路線バス」で輸送し、岩手県北バスの重茂車庫でヤマト運輸のセールスドライバーに宅急便を受け渡する。

「貨客混載」を利用した配送イメージ

今後は、岩手県内でヤマト運輸が展開している「まごころ宅急便」と「貨客混載」を組み合わせたサービスの開発を検討し、高齢化や過疎化が進む中山間地域等における課題解決と地域活性化に取り組んでいくという。