ご祝儀袋や香典袋に添えられる紐 (ひも) 飾りを「水引 (みずひき)」と言います。簡素なものと豪華なものがある……程度の認識しかない人が多いかもしれませんが、水引にはいくつかの種類があり、それぞれ意味が込められています。

大きく分けると2種類

「水引」は、包みをしっかり結び留めるために使われていたもの。種類がたくさんあるように見えますが、意外にも大きく分けると2種類しかありません。「結び切り」と「蝶結び」です。凝ったデザインの水引も、水引の意味によってどちらかに分けられます。

結び切り

一度、結んだらほどけないことを意味しています。 そのため、「二度あってほしくない」こと、例えば結婚などの際に使用します。

結び切りのバリエーションの一つに、「あわび結び」もあります。

複雑な結び方に見えますが、これも結び切りと同じ「結んだらほどけない」ため、結婚などの際に使用します。

蝶結び

蝶結びは、「何度でも結び直すことができる」ことを表します。 そのため、出産祝い、入学祝いなど、何度あってもうれしいお祝い事の際に使用する水引です。

水引の本数の意味

水引は何本かの紐を束ねたものですが、慶事では基本的には奇数の水引を使います。ベーシックなものは5本です。3本のものも7本のものもありますが、それぞれ簡素化したものと、より丁寧にしたものです。例外的に、婚礼では10本の水引を使用します。これは、5本を2倍にして、より豪華にしたとされるからです。

一方、弔事には基本的に偶数の水引を使用します。4本を中心に、2本のものと6本のものがありますが、最近では5本の水引を使用することもあるようです。

執筆:野村佳代

株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役。編集・ライター。一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師。Webサイト「ビジネス文章力研究所」を運営している。