NECネクサソリューションズは5月27日、同社が2012年よりSaaS型で提供してきた「バスロケーションシステム」を機能強化・リニューアルし、「バスナビゲーションシステム for SaaS」として7月から販売開始すると発表した。価格は、車両1台当たり月額3,500円からで、別途初期導入費と月額基本料が必要。今後3年間で20事業者への販売を目指す。

新サービスは、準天頂衛星対応によるバス位置情報の精度向上およびIP無線対応などにより、運行の適正化や業務効率化を実現するという。また、バス利用者向け検索機能の強化や訪日外国人向けの多言語対応を通じて、利用者向けのサービス向上を実現するとしている。

運行管理機能では、バス事業者がバスの運行状況をリアルタイムに把握し、交通障害時の運行指示や蓄積した運行データに基づくダイヤ適正化に活用できるという。同サービスはインターネットに接続したパソコンのブラウザから利用可能であり、サービス運用やデータ保管のための新たなサーバやソフトウェア資産の購入は不要とのこと。

同サービスを提供するサーバの運用やバックアップなどは同社データセンターで実施するため、日常のシステム運用負荷を大きく軽減できるとしている。バス事業者のサーバ環境は24時間365日のシステム運用・監視設備が整っているとするデータセンターに保管するため、災害対策やセキュリティ強化、内部統制強化に有効という。

インターネット運行案内・検索機能では、バス利用者がバス停留所の表示機やインターネット、スマートフォン/携帯電話からバスの接近運行案内情報を閲覧でき、目的地への到着時刻をより正確に把握できるとしている。検索方法については、スマートフォンのGPS機能および地図表示を利用した最寄りのバス停検索やランドマーク検索など機能を強化し、従来以上にスムーズな検索が可能。また今回新たに、訪日外国人向けの多言語対応も実現したとしている。

さらに、パケット通信回線を使ったIP無線機能がオプションで利用可能であり、営業所と車両との間の連絡や狭い場所(狭隘部)での待ち合わせ連絡など、活用の幅が広がるという。

同サービスは、必要な機能を必要な台数分だけ月額料金で利用可能であり、1路線からのミニマム導入も可能とのこと。運用負荷の軽減と事業継続対策に同時対応でき、トータルコストの低減を実現するとしている。