新しいFloTHERM XTは、EDAとの連携拡張や複雑なPCBの銅箔領域を詳細に表現できる機能が追加された。

メンター・グラフィックス・コーポレーション(メンター・グラフィックス)は5月27日、FloTHERM XTの最新リリースを発表した。

FloTHERM XTは業界で初めてMDAとEDAを統合した電子冷却シミュレーション向けのソリューション。今回のリリースでは、過渡解析、ジュール発熱、パラメトリックスタディ、EDAとの連携拡張、新たなモデリングオプションをサポートし、複雑なPCBの銅箔領域を詳細に表現できる機能が追加された。

同社はFloTHERM XTの設計早期の仮想プロトタイピングと高度な「what-if(仮定条件)」解析機能を熱専門エンジニアと設計エンジニアに提供することで、製品品質の向上、設計イタレーションの最小化、Time-to-Marketの短縮が可能になるとしている。

最新のFloTHERM XTで拡張・追加された機能は以下の通り:

  • 過渡解析: FloTHERM XTのUIからフィールドソルバを起動し、さまざまな業種に適用できる時変解析を実行
  • 部品と基板の操作性: 基板と部品のレイアウトをインポートし、FloTHERM XTに取り込む前に位置、サイズ、向き、形状、モデリングレベルを簡単に修正可能
  • ジュール発熱: 複雑な電子システム、PCB、その他のハイパワーデバイスの電流密度、電位、それらに伴うジュール発熱効果を予測する機能を備えた包括的解析プラットフォーム
  • パラメトリックスタディ: ジオメトリや属性(材質、熱など)などの可変パラメータと解法パラメータを定義して解に導き、結果を解析するための環境を新たに統合し、設計最適化プロセスを強化
  • EDAツールとの連携: メンター・グラフィックス以外のベンダー(ケイデンス・デザイン・システムズ、図研、アルティウム)のレイアウト設計ツール向けに新たにODB++インタフェースを追加し、既存のEDAデータに対する柔軟性を高めてユーザの時間を節約
  • 新モデリングオプション: 基板上のクリティカルデバイスのジュール発熱効果の影響を受けやすい高精細ソリューションとハイパワーアプリケーションに特に重要な、PCBの銅箔ネットとトレースを完全3Dで詳細に再現する機能を搭載
  • UIの向上: UIの使いやすさと機能拡張により、より直観的にFloTHERM XTを操作可能