横浜美術館は、中国を代表する現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい こっきょう)による個展「蔡國強展:帰去来(ききょらい)」を開催する。会期は2015年7月11日~10月18日。入場料(当日)は、一般1,500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料。

《壁撞き》2006年、狼のレプリカ(99体)・ガラス、 サイズ可変、ドイツ銀行によるコミッション・ワーク The Deutsche Bank Collection 上海当代芸術博物館での展示風景(2014)Photo by Zhang Feiyu, courtesy Cai Studio

「蔡國強展:帰去来」は、中国を代表する現代美術家・蔡國強による作品を集めた、国内では7年ぶりとなる大規模な個展。日本でも約9年にわたって創作活動を行っていた蔡は、その滞在中に火薬の爆発による絵画を発展させたといい、2008年に開催された北京オリンピックでは、開会式・閉会式の視覚特効芸術監督として花火を担当し、一躍注目を集めた。今では、世界の名だたる美術館での個展はもちろん、万里の長城やセーヌ川での大規模なプロジェクトや、ヴェネチア・ビエンナーレの国際金獅子賞受賞など、世界を代表するアーティストとして認められているが、本展タイトルには、そんな自身がアーティストとして自由な創作を開始した"日本という原点に戻る"という意味が込められているとのこと。

本展では、近年の代表作「壁撞き(かべつき)」が登場。99匹の狼の群れをなして壁に挑む姿が話題となった全長40メートルにおよぶ大型作品で、日本では初公開となる。また、240枚の白い磁気パネルに四季の草花や生き物を描いた「春夏秋冬」のほか、横浜美術大学との恊働で制作されるテラコッタによるインスタレーション、横浜の歴史をふまえて作られたという大規模な火薬ドローイング、さらにその制作過程を記録したドキュメンタリー映像なども公開されるという。

なお、7月11日には、蔡國強本人が登壇し、自身について語るアーティストトークも実施される。参加は無料だが、事前の申込が必要となる(定員240名を超える場合は抽選)。また同日には、親子を対象としたワークショップ「昼間の花火を描こう」も開催予定。このほか、詳細および申し込みは「蔡國強展:帰去来」特設サイトまで。

火薬ドローイング《遠行》(2010年、火薬・和紙・木製パネル、42枚組、作家蔵)の爆破(参考図版)Commissioned by the Museum of Fine Arts, Houston for the Ting Tsung and Wei Fong Chao Arts of China Gallery. Photo by I-Hua Lee, courtesy Cai Studio

《壁撞き》2006年、狼のレプリカ(99体)・ガラス、 サイズ可変、ドイツ銀行によるコミッション・ワーク The Deutsche Bank Collection Photo by Natasha Harth, QAGOMA, courtesy Queensland Art Gallery|Gallery of Modern Art

《 ブラジル花鳥図》(部分)2013年、火薬・和紙、作家蔵(参考図版)Commissioned by Banco do Brazil. Photo by Zhang Feiyu, courtesy Cai Studio