富士通は5月22日、ネットワーク仮想化へのさらなる展開、先進技術を最大限活用したグローバル汎用製品の提供およびIoT時代に向けたネットワーク利用者の多種多様なニーズに対応する新しいサービスの創出などの加速を実現するため、子会社を統合・再編しネットワーク・ビジネスの体制を強化すると発表した。

今回の事業再編では、従来の製品ごとの事業体制を見直し機能別に再編することで、同社がこれまで培った技術やノウハウを融合させると共に、生産性・投資効率の向上によりグローバルでの競争力を強化していくという。

再編前と再編後の比較

具体的には、営業・開発機能の統合と製造機能の統合を実施する。

営業・開発機能の統合では、富士通グループに分散しているネットワーク・ビジネスの営業・開発機能を富士通に統合するため、10月1日付で富士通テレコムネットワークスと富士通ワイヤレスシステムズを富士通に吸収合併する。

これにより、一体運営による事業効率化や分散ロスの解消を図ると共に、富士通の強みとするネットワーク基盤に関する先進技術を活用した製品開発力と付加価値の高いネットワーク・ソリューションの提供を強化するとしている。

製造機能の統合では、富士通テレコムネットワークスおよび富士通ワイヤレスシステムズの製造機能を統合した上で、栃木県小山市の小山工場をマザー工場とする、ネットワーク製品全般の製造を担う新会社「富士通テレコムネットワークス」を10月1日付で設立する。 新会社はフォトニクス・ネットワーク、アクセス・ネットワークおよび多重無線など、ネットワーク機器・装置・システムの製造を担当する。資本金は1億円。

富士通は今回の製造機能集約・拠点統合により、技術・設備の標準化やコア技術・ノウハウの融合をさらに推進することで、高品質・高信頼の生産体制を構築すると共に、生産性および投資効率の向上を図り、市場競争力を強化していくという。