季節の移り変わりを知る手がかりとなるのが雑節です。これは、古くから人々の暮らしの中に受け継がれてきた慣習が年中行事になったものと言われています。二十四節気 (にじゅうしせっき)は中国で生まれましたが、雑節はこれを補って日本の気候をより的確につかむために作られたとされています。

雑節は古くから人々の暮らしの中に受け継がれてきた慣習が年中行事になったものと言われています。季節の移り変わりを知る手がかりとなる、日本オリジナルの暦です。その成り立ちの性質から、農作にかかわるものが多くあります。

雑節

・節分 (せつぶん)
立春の前日で、豆まきの風習があります。

・彼岸 (ひがん)
年に2回あり、春分、秋分の前後3日間。先祖のお墓参りを行います。

・社日 (しゃにち)
年に2回あり、春分と秋分に近い戌 (いぬ) の日。豊作の祈りと感謝を行います。

・八十八夜 (はちじゅうはちや)
立春から88日目。苗代を植え替えや茶摘みの目安となります。

・入梅 (にゅうばい)
二十四節気の芒種 (ぼうしゅ) から5日目。暦の上での梅雨入りを表します。

・半夏生 (はんげしょう)
夏至から11日目。田植えの終了の目安となります。

・土用 (どよう)
年に4回あり、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ前18日間。土いじりを避ける期間です。

・二百十日 (にひゃくとおか)
立春から210日目。台風や大雨に見舞われやすい時期のことです。この10日後には「二百二十日 (にひゃくはつか)」もあり、同様の注意喚起を目的としています。

<参考文献>
三省堂年中行事辞典【改訂版】 (三省堂) / 入門 日本の旧暦と七十二候 (洋泉社) / 原色シグマ新国語便覧 増補三訂版 (文英堂) / 暮らしのしきたり十二か月 うつくしい日本の歳時と年中行事 (神宮館) / 日本の風俗の謎 (樋口清之著、大和書房) / 日本人のならわしと暮らし暦12か月 (瀧本マリ子と日本人の暮らし研究会著、海龍社)

執筆:野村佳代

株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役。編集・ライター。一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師。Webサイト「ビジネス文章力研究所」を運営している。