マツダは21日、4代目となる新型「ロードスター」を発売する。20日に都内で発表会も行われ、開発主査の山本修弘氏が商品説明を行った。

マツダ新型「ロードスター」

初代モデルの発売から25年以上が経過し、現在ではマツダのブランドアイコンともいえる「ロードスター」。4代目の開発にあたってのキーワードとして、「守るために変えていく」が掲げられており、「初代ロードスターの志に立ち返り、楽しさを次の時代に継承していくという私たちの決意であり、挑戦を表す言葉です」と山本氏は説明した。

新型「ロードスター」では、ライトウェイトスポーツカーの楽しさを体現させることをめざし、人がクルマを楽しむ感覚「感(Kan)」に進化の方向性をシフトさせたという。同車の提供価値である「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」「誰もが夢中になるドライビング体験」「誰もが開放的でリフレッシュできる気持ちよさ」を根底から支えるのも、この「感(Kan)」とされている。

デザインに関して、「作り手としてこうありたいと考えるライトウェイトスポーツカーの姿を描ききること」「登場を心待ちにする人々の心を一瞬でときめかせること」を志したと山本氏は言う。「ヘッドランプからフロントフェンダー、ドア、リアフェンダーにつながる造形は書道にも通じる緩急のある動きで、日本の感性を象徴しています。ヘッドランプは生命感のある瞳のようなデザインで、見る角度によって精悍にも、優しく慈愛にあふれた眼差しにも感じ取れます」と説明した。

インテリアは「室内ではなく、あくまでエクステリアの一部」という考えの下、「座るだけで微笑みがこぼれ、心が躍るようなコックピットをめざしました」とのこと。ドライビングポジションと室内空間は確保した上で、最適機能配分とコンパクト化、構造革新、アルミをはじめ軽量材料の適用拡大など、抜本的な軽量化にも取り組んだ。

その結果、歴代モデルで最もコンパクトな全長3,915mmを実現し、ベースグレード「S」の重量は990kgに。「すべての部位に対して、1gでも削減できる余地がないか、さまざまな手法で軽量化にチャレンジしています。実際に乗ってみて、シートスライドのレバーに触ってみてください。必要最小限の細さにそぎ落とすなど、軽量化にこだわるエンジニアたちの執念を感じられると思います」と山本氏は述べた。

新型「ロードスター」の商品説明を行う山本修弘氏。ソフトトップの開閉の実演も行った

新型「ロードスター」のエンジンは新開発の「SKYACTIV-G 1.5」。エンジン音・吸気音・排気音を総合した音質チューニングも行い、「新型ロードスターの走りにふさわしい、軽快かつリニアなサウンドを作り込みました」(山本氏)。オープンカーならではの開放的で気持ちの良い走りを実現するため、簡単な操作で開閉できるソフトトップ(幌)も開発され、自ら実演する場面もあった。

山本氏は「ロードスター」の開発主査として、世界中のオーナーやファンへの感謝とともに、責任の大きさも感じたという。「次の25年、その先の50年を迎えても愛されるロードスターであるために、すべては初志を明日につなげるために、『守るために変えていく』挑戦を続けていきます。それは開発者の任務であると同時に夢であり、幸せであり、誇りでもあります。次世代の若いエンジニアたちにも、志は受け継がれていくはず」と話していた。

新型「ロードスター」は全国のマツダ系・マツダアンフィニ系販売店を通じて21日から販売開始され、価格は249万4,800~314万2,800円(税込)。販売計画台数は月間500台。予約受注台数は5月17日時点ですでに3,323台に達しているとのことだった。