ドイツのポルシェAGは、世界中で開催されているGT3カテゴリーのために開発されたカスタマースポーツレーシングカー「911 GT3 R」を発表した。最高出力500PS以上を発揮するエンジンを搭載し、軽量化、空力、燃費などあらゆる面が刷新されている。

ポルシェ「911 GT3 R」

世界中で開催されているGT3規定準拠のレースに出場するためのレーシングカーである同モデルは、これまで997型をベースとしたモデルがライバルと戦ってきた。新型は991型をベースとし、とくに「911 GT3 RS」から発展させたモデルへと大幅に進化している。

エクステリアは「911 GT3 RS」をほうふつとさせる特徴的なダブルバブルルーフが備わり、ホイールベースも997型ベースの先代モデルより8.3cm長くなった。これによってバランスに優れた重量配分を実現し、とくに高速コーナリングでの挙動変化が容易なハンドリングを実現している。フロントフェンダーにはダウンフォースを増加させるホイールアーチエアベントが設けられ、リアウイングも大型化されている。

エンジンは「911 GT3 RS」とほぼ同じ4リットル水平対向6気筒で、ポルシェ製6速コンスタントメッシュ・シーケンシャルトランスミッションを介して310mm幅のリアタイヤを駆動する。その冷却はフロントバンパー中央のラジエーターで行い、両サイドのラジエーターは廃止された。これによって重心位置の最適化や、クラッシュ時のラジエーターの保護性が向上している。

軽量化の面ではルーフ、フロントリッドとフェンダー、ホイールアーチ、ドア、サイドセクションとリアエンドセクション、リアリッドがCFRP製となっており、フロントウインドウを含むすべてのウインドウはポリカーボネート製となった。同モデルは2015年12月以降にデリバリーの予定だ。