東芝 執行役常務 セミコンダクター&ストレージ社 統括技師長の早坂伸夫氏

18日に開催された富士通の携帯電話・PC発表会にて、東芝 執行役常務 セミコンダクター&ストレージ社 統括技師長の早坂伸夫氏が、TransferJet搭載SDカードを今夏に発売するとコメントした。

富士通の携帯電話・PC発表会で発表された「ARROWS NX F-04G」は 、世界で初めてスマートフォンに虹彩認証システムや、近距離無線通信技術「TransferJet」を搭載する。TransferJetは通信距離こそ約3cmと短いが、実効速度が最大375Mbpsと高速通信が可能で、対応端末をかざす操作で大容量のコンテンツを短時間で送受信できることが特徴の通信技術。

発表会で登壇した早坂伸夫氏は、TransferJetの概要と今後の展望を紹介。現在の製品ラインナップは、組み込み機器向けのチップとモジュール、USB端子搭載機器(アダプタ)、iOS搭載機器(アダプタ)だが、今夏、TransferJet内蔵SDカードを発売する。容量など詳細は不明だが、紹介資料に描かれている画像では、容量が16GBとなっている。

従来よりIT関連展示会などでTransferJet内蔵SDカードの展示は行われており、東芝セミコンダクター&ストレージ社広報によると「展示会で質問があればこのくらいの時期(2015年夏頃)に投入する、という話はしてきた」とするが、今回、投入時期の見通しが公式に明言された形となる。

TransferJetの製品ラインナップ。右端に今夏発売としてSDカードが紹介された

TransferJetの特徴は、「今だけここだけ」。常時接続のインフラではなく、商業施設やイベントなどでの特別コンテンツなど、その場所でしか得られない高精細コンテンツの配信に適する

スマートフォンへの搭載については、コンテンツの大容量化、4K/8K動画やハイレゾ音源など、大容量化しているコンテンツの転送をどうするか、といった問題があった。一方で、スマートフォンに限らず、タブレットやPCなど、個人が数台のガジェットを持つ中で、装置間のデータ転送をより手軽に行いたい、というニーズがあり、「ARROWS NX F-04G」への搭載に至ったという。今後は2020年までかけ、レコーダーやPCなど搭載機器を拡充するとともに、特定の場所から日常的な場所まで、幅広い利用シーンでの活用を目指す