空のF-1とも呼ばれる世界最高峰のエアレース「Red Bull Air Race」が、千葉県・幕張海浜公園で5月16日、17日の2日間にわたって開催された。

千葉県・幕張海浜公園で開催された「Red Bull Air Race」

日本で初開催となった「Red Bull Air Race」は、グッドスマイルカンパニーが、レッドブル・エアレース ジャパン実行委員会と千葉市と共に開催。アニメやマンガ、ゲームのキャラクターフィギュアの企画や販売で知られる同社は、ファンと共に走るレーシングチーム"をコンセプトに「初音ミクGTプロジェクト」を展開するグッドスマイルレーシングのレーシングチーム「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」も運営していることもあり、今回の「Red Bull Air Race」への参戦は大きな話題に。同社の代表取締役社長・安藝貴範氏 は、以前のインタビューで「レースの世界をチームとお客さんが同時に体験できると、強い絆ができます。エアレースにも、同じ魅力があります。また、パイロンを旋回するたびにタイムが表示されて、かかっているGまで数字で出る。すごくわかりやすくて、ベテランファンじゃないとわからないということもない。このわかりやすさとライブ性が最大の魅力だと思います」とその魅力を語っていた。

最高速度200ノット(時速370km)の技用プロペラ機を使用するこのレースは、高さ25mのパイロンの間を通過したり、スラロームなどをして全長6kmのコースのフライトタイムを競っていく。空のモータースポーツの日本初開催として、開催前から大きな注目を集めていた。

使用される飛行機はレース専用の設計された飛行機で、今年は「EDGE 540」「MXS-R」「CORVUS RACER 540」の3機。また、飛行機毎に性能差が出ないよう、エンジンとプロペラは共通のものを使うことが義務付けられており、パイロットのスキルとメカニカルスタッフによるセッティングによって明暗が別れるシビアな競技と言える。

2003年にオーストラリアで初開催され、今回の日本の千葉を含めて7カ国8都市で開催。レースの歴史はまだ浅く、開催地域はまだまだ少ないものの、テレビやネットなどの中継を通じて、世界中に多くのファンを持っている。

日本では、これまで馴染みがなかったこともあり、初開催の今回にどれだけの人が集まるか注目されていたが、千葉県は2009年より参戦している日本人パイロット室屋義秀選手の地元。それもあって予選が行われた初日16日は、前売り、当日券ともに完売となり、約6万人の観客が幕張海浜公園に集まった。

高速で飛行する飛行機は車のような小回りが聞かないため、コースは横長に作られている。そのため観覧エリアでは、エアレース以外にもさまざまなイベントが設けられ、千葉の地産の食材を使った屋台や全国各地のご当地グルメが楽しめる屋台村、Red Bullが協賛するBMXやモトクロスバイクや水上スキーによるアクロバットなどを実施が行われており、競技と競技の間も集まった観客が飽きることなくエンターテイメントを提供していた。

また、今回の日本大会には、フィギュアメーカーのグッドスマイルカンパニーが実行委員として日本企業としては唯一参加。会場で販売されていた公式グッズにはグッドスマイルカンパニー製造の競技飛行機とパイロンがセットになったフィギュアが販売していたほか、今後、製品化が期待されるRedBullの250ml缶から飛行機へとトランスフォームするフィギュアのサンプルの展示も行われていた。