KDDIが12日に発表した2015年3月期 連結決算によれば、営業利益でNTTドコモを抜くことが明らかとなった。この結果、大手キャリア3社の2015年3月期 営業利益はソフトバンクがトップ、KDDIが2位で、NTTドコモは3位となった。

都内で12日に開催されたKDDIの2015年3月期 決算説明会。営業利益でNTTドコモを上回ることが明らかとなった

KDDIの2015年3月期の営業利益は7,413億円(前期比11.8%増)。一方、2期連続の減収減益に終わったNTTドコモの営業利益は6,391億円(前期比-22.0%減)だった。このためKDDIが営業利益で初めてNTTドコモを上回ることが明らかとなった。KDDIでは純増数が好調に推移しており(前期比5.1%増)、モバイル通信料の収入も増加(前期比751億円増)。解約率も改善傾向にあるという。

営業利益の増減要因(写真左)。モバイル通信料の収入が増加、純増数も好調に推移している(写真右)

ちなみに昨年2014年3月期の決算説明会では、ソフトバンクグループが営業利益で初めてNTTドコモを追い抜いた。この際、孫正義代表は「売上高、営業利益、純利益いずれの指標においてもNTTドコモさんを抜いた。そのことをはっきりと、ここでもう一度言いたい。抜いたら抜き返させない。はるか遠くのところまで行ってみせる。そういう決意でいる。今後、これを実行して示したい」と鼻息も荒く宣言していたが、KDDIの田中孝司社長はどのような思いでいるのか。当然、質疑応答で記者団からコメントを求められることとなった。

2015年3月期 連結決算を発表する、KDDIの田中孝司社長

営業収益でNTTドコモを上回ったことについて、田中社長は「マネージメントとしては、現在、3カ年中期目標に向けてコミットメントを達成することを目標にやっている。その中で、ひとつの通過点で抜いてしまったというだけ。我々自身がとんでもなく利益を伸ばしたわけではない」とコメント。

また、「あまり何ともコメントのしようがない。期待していたコメントにはなっていないと思うが」と物腰の柔らかな“田中節”で回答した。KDDIが掲げる3カ年中期目標では、2016年3月期に連結営業利益8,200億円を目指している。

KDDIが掲げる3カ年中期目標。2016年3月期に営業利益8,200億円を目指している

(記事提供: AndroWire編集部)