5月2日~3日に静岡県・富士スピードウェイにて「SUPER GT 第2戦」が開催され、「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」が、我慢の走行を見せて5位に入賞を果たした。

5月2日~3日に静岡県・富士スピードウェイにて行われた「SUPER GT 第2戦」

5月2日の予選と、3日の決勝で計9万1,500人の観客を動員した本レースだが、「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」は8位で予選を終了。予選に続き、朝から快晴となった決勝戦では、チームの個人スポンサーも多数来場し、自然に応援シートが出来あがるほどの盛況ぶりを見せた。朝9時から行われたフリー走行は、片岡選手がベストタイム「1‘39.014」を出し、7番手でフリー走行は終了。昨年に引き続き大勢のファンが詰めかけたピットウォークを挟んで、決勝レースがスタートした。「グッドスマイル初音ミクSLS」は、片岡選手がスタートを担当し、予選の結果から8番グリッドに位置。フォーメーションラップの後、ローリングスタートで500kmというシーズンで2番目に長いレースの幕が開けることとなった。

まずは、序盤で2台をパスして6位にジャンプアップする「グッドスマイル初音ミクSLS」。上位3台には、序盤から離されつつあったが、8周目にタイヤがバーストしてコースアウトするマシンもあり、セーフティーカーランになる展開に。これでタイム差はリセットされ、片岡選手はセーフティーカー解除後に1台を抜いて5位まで浮上した。しかし、ここからレースは膠着状態に。5位のまま24周目にピットインをし、タイヤを全交換、ドライバーは谷口選手に交代。今回のレースでは、2回のピットインが義務づけられているので、片岡選手はもう1度ステアリングを握ることとなる。

ピットアウト後は19位でコースに復帰し、徐々に順位を上げていく谷口選手。49周目を迎える頃には5位にまで順位を戻す走りを見せた。しかし、4位以上との差が大きく離されており、63周目に5位をキープしたままピットイン。ドライバーは再び片岡選手になり、13位でアウトラップに復帰。その後、5位まで順位を回復したが、背後に迫った7号車(Studie BMW Z4)に対して終始防戦を迫られることとなる。ストレートスピードに勝るSLSは、オーバーテイクを許ずに、攻防は20周近くにも及んだ。

レース直前にトラブルが発覚し、グリッド上でセッティングを変えるなどの応急処置を行なったが、グッドスマイル初音ミクSLSは5位でチェッカーを受ける結果に。2戦を終えてシーズンランキング5位という状態で、6月20日~21日にタイ・ブリーラムで開催される第3戦に挑むこととなる。

本レースを終えた片岡選手は「予選までは良い感じだったんですけど、タイヤの摩耗とかも含めて決勝向けのセッティングに変えたことで、ちょっとパフォーマンスが落ちてしまって、そのバランスの悪さからアベレージスピードが上がりませんでした」と反省。「前を抜くという感じではなく、ブレーキやタイヤを労りながら後ろのライバルを抑えるという、防戦一方なレースでした」と第2戦を振り返る。「谷口選手のスティントでは違うタイヤを履いてみたんですが、苦しいことには変わりなく……。開幕戦に続いて5位という順位は決して悪い位置ではないと思いますが、次戦以降はもっと上位でのゴールを目指します」と第3戦への意欲を覗かせた。

「今回も主役にはなれませんでした」と悔しがる谷口選手は、「レース直前に諸事情もろもろありまして、トップ争いには加われる感じではなくなってしまいました。ただ、なんとか5番手争いができてしっかり5位でゴールしてポイントが取れたことはよかったと思っています」と反省しつつも前向きな姿勢。「これからの戦いに向けて準備しなきゃいけないことも明確に見えてきましたし、今後も取りこぼしなくいきたいですね」と抱負を語った。

「非常に残念です」とうなだれる監督の片山右京氏は、「スタート直前に見つかった不具合のせいでセッティングも変えざるをえなかった。そのため、ハンドリングが予選とまるっきり違う状態になってしまいました」とレースの難しさを改めて感じた様子。「当初、39秒台半ばくらいでラップできれば上位陣と勝負できると想定していましたが、上の4台は想定以上のラップタイムで走ってて、セッティングを変えたマシンではついて行けなかった」と回顧。「タイ戦に向けてまだいくつかトライすべき課題もあるので、これからどんどん挽回していきたいです」と頼もしいコメントを寄せた。

「谷口&片岡の両ドライバーはタイヤの摩耗を見ながら順位を守って5位でフィニッシュしてくれた、良いレースだった」と語る安藝貴範代表は、「守りに強いSLSが見れました」と満足気。「本来だったらもっと、攻めることに強さを発揮してほしかったですが、セットアップやタイヤにまだ課題が残りますね。期待できるレースだったのが、想定外の不運があって上位争いはお預けになったものの、改善点も見えているので次戦タイから巻き返していきます」と宣言した。

(C)タイキ/CFM