俳優の山下智久が30日、主演を務めるTBS系ドラマ『アルジャーノンに花束を』(毎週金曜22:00~22:54)の全撮影を終え、「今までのドラマの中で撮影期間が一番長くて、役づくりも含めてものすごく苦労しました」と、すがすがしい表情で達成感を語った。

『アルジャーノンに花束を』脚本監修の野島伸司

山下は「30年間生きてきた経験や、学んできたことを全部を注ぎ込んだ」と、今作にかけた思いを告白。作中のセリフにある「人はいつも進むべきかとどまるべきかという選択に迫られている」という言葉を紹介し、自らが演じた咲人が「進む」方を選んだことにならって、自分も「どんどん進んでいきたい」と、今後のさらなる挑戦を宣言した。

撮影現場には、脚本監修の野島伸司が駆けつけ、撮影終了後、山下に花束を手渡した。報道陣の取材に応じた野島は、山下の演技について、「とてもよくやってくれている」と評価。「ことさらオーバーアクションもせず、純粋性だけを見せるように演じてくれた結果、思わぬいやし効果や浄化作用がこのドラマにはある」と語った。従来、自らが関わった作品は、1回視聴した後は見ないそうだが、今作に関しては「何回も見たくなる」という。

また、野島は山下の役作りについて、限界的な努力をして「表情、笑い方、声のトーン、姿勢を全て技術的に寄せている」と分析。「芝居がうまい人は今まで何人も見てきた」という経験を踏まえて、山下は「今まで見たことがない表現者として、唯一無二感のあるなかなか見ないタイプの役者」と評した。

同作は、ダニエル・キイスの原作で、超知能を手に入れた青年の喜びと孤独を通して、人間の心の真実に迫る物語。今回、『高校教師』『未成年』『聖者の行進』などを生み出してきた野島伸司が脚本監修として参加し、山下は手術により天才的な知能を手に入れる精神遅滞者という役に挑んだ。