米Microsoftは4月21日と22日(現地時間)にかけて、スマートフォン向けとPC向けの2種類のWindows 10 Technical Previewの最新ビルドを立て続けにリリースした。ビルド番号はそれぞれ「Build 10052」「Build 10061」となっており、すでにTechnical Previewをインストール済みのユーザーは通常のアップデートで最新版へと移行できる。両プラットフォームともに3月以降の更新頻度が早くなっており、7月といわれる製品版リリースに向けた動きが加速している。

Build 10052」と「Build 10061」のリリースはそれぞれMicrosoftの公式Blogで紹介されている。スマートフォン版にあたるBuild 10052はマイナーチェンジの感が強いが、PC版にあたるBuild 10061は主要アプリの一斉アップデートが行われるなど、ユーザーの目にわかりやすい形での変化が出ている。それぞれ概要をまとめる。

Windows 10 Technical Preview for phones - Build 10052

Windows 10 Technical Preview for phonesは4月10日に「Build 10051」がリリースされたばかりであり、それから2週間を経ていないBuild 10052はビルド番号が1つしか上がっていないことからもわかるように、バグ修正を中心としたマイナーアップデートだといえる。機種依存のバグもいくつか見受けられるが、筆者もBuild 10051で経験していた「言語追加後の(文字入力用)キーボードのダウンロードが行えない」といった共通バグもBuild 10052で修正されているとMicrosoftでは説明している。

このほか「フライトモードの有効化」「データ通信の無効化」といった設定メニューが追加されており、より製品版に近い体裁でWindows 10 Technical Previewのテストが行えるようになっている。またLumia 520/521の一部ユーザーで報告されていたWindows Phone Reset Tool使用後に端末が使用不能になる問題を受け、一時的に同デバイスへの最新ビルド配布を停止していたが、現在は問題が解決したとして同ツールのアップデート版提供とともに配布を再開している。詳細についてはMicrosoftの会議室で情報がまとめられている

Windows 10 Technical Preview - Build 10061

Windows 10 Technical Preview for PCは前回のBuild 10049のリリースが3月30日で、リリースサイクルは3週間強となっており、主にUI関連で変更が目立つなど、スマートフォン向けのBuild 10052に比べると比較的大きなアップデートとなっている。Build 10061は現在更新周期を「Fast」に設定したユーザーにのみ配布が行われているが、Build 10049では言語パック等での問題がみられるなど「Slow」の更新周期を選択したユーザーに最新ビルドの配布が行われていないことを受け、Build 10061においてもSlowユーザーにアップデートを配布するか適時判断していくという。Build 10041やBuild 10049で確認された言語パックのインストールに関する詳細は会議室を確認のこと

Build 10061における大きな変更点は「Mail」「Calendar」アプリのアップデートで、画面表示の変更やカスタマイズ可能なスワイプによるジェスチャー操作、2つのアプリの切り替えで予定の設定や確認など、Windows 8時代のものに比べてUI面での工夫がみられる。文章編集機能も強化されており、表や写真の挿入が簡単に行えるほか、メールアカウントの設定が使いやすくなっている。

スタートメニューとタスクバーにも変更が加えられ、黒色の新しいテーマとなっているほか、デスクトップの背景から自動的に(OSが利用する)メインのカラーリングを選択するAutoColor機能の採用、Action Center等の透明度の設定、電源ボタンの位置変更、アイコン形状のリフレッシュといったUIや設定メニュー変更が可能になっている。タスクビューもUIが変更され、最も大きなポイントとしては仮想デスクトップの作成上限が緩和されたことが挙げられる。従来は仮想デスクトップを作成していくと、デスクトップのサムネイルが画面の横幅に達したときに新規作成できなくなっていたが、Build 10061ではこの上限を振り切っても新規追加が可能となっている。Continuum使用時のタブレットモードにも変更が加えられ、これまでデスクトップモードとタブレットモードで劇的にレイアウトが変化していたものが、あまり違和感なく両モードを移行できるようになっている。

このほか、既知の問題もいくつか報告されており、詳細についてはBuild 10061のリリースノートを確認してほしい。来週4月29日からは米カリフォルニア州サンフランシスコでBUILDカンファレンスが開催される予定であり、Windows 10開発に関する現状報告と今後の方針について改めてアナウンスが行われるものとみられる。