税理士向けのクラウド会計・税務・給与システムである「A-SaaS(エーサース)」を運営するアカウンティング・サース・ジャパンは4月27日、マイナンバー制度に対応するため新たに「クラウドマイナンバー事業」を開始した。同社では、今年の8月からクラウドによるマイナンバー管理サービスも提供開始する予定だ。

マイナンバー制度が導入されることによって、 事業者は「個人番号関係事務実施者」としてマイナンバーを含む特定個人情報の取り扱いに責務を負うことになる。そのため、従業員への教育や業務委託先の監督などの必要が事業者には生じてくるが、中小企業の場合、マイナンバー制度への対応に向けて社内体制を構築することは、人的・予算的な制約から困難であることが推測される。また、事業者から納税申告書や法定調書などの税務関係書類の作成を委託される税理士も、業務負担の増加やマイナンバー管理コストの発生が予想される。同社は、税理士・中小企業によるマイナンバーの漏えいリスクを低減し、運用サポートを行うべく、「クラウドマイナンバー事業」を立ち上げたという。

8月に提供予定の新サービスでは、顧問先企業の従業員やその家族のマイナンバーを、税理士が「持たずに管理できる」ようなクラウドサービスの提供を予定しているという。業務上必要な場合のみ利用できるセキュアな環境をクラウドで提供することによって、マイナンバー漏えいリスクの軽減につなげる。

ASJのマイナンバーに対するアプローチゾーン

今後同社では、クラウドを活用したマイナンバーの管理方法をテーマに、税理士を対象としたセミナーを全国の主要都市で開催していく予定だ。