三菱重工業(三菱重工)のグループ会社である三菱重工交通機器エンジニアリングは4月22日、列車の扉数・扉位置が異なる車両にも正確に対応する改良型マルチドア対応ホームドア「どこでもドア」を開発したと発表した。停車位置のずれ幅への適応力と安全機能を高めるとともに、扉の軽量化・据付期間の短縮などにより設置から運用にわたるトータルコストを削減したものだという。

同製品では、2段伸縮の入れ子方式の扉を導入することで戸袋幅を縮めると同時に、開閉幅を広げた戸袋付ドアを採用した。支柱(戸袋なし)タイプのドアと組み合わせることで、より大きい停車位置のずれに対応することが可能となった。

また、安全対策としては、エリア検知センサにより人やモノを感知し、音声による注意勧告を行うとともに、扉の開閉動作を抑止する。加えて、開閉機構が内蔵された支柱にプロジェクターまたはLEDを設置し、扉の強化ガラス部に警告文字を映したり、光による警告を表示することができる。

現在、三菱重工は三原製作所 和田沖工場内に試験設備として模擬車両とともに約30mのプラットホーム状スペースに戸袋付ドアと支柱タイプドアを組み合わせて設置。2016年3月末まで検証を続けるとしている。

改良型マルチドア対応ホームドア「どこでもドア」