世界でも大きな存在感を持つ、日本の「漫画」。数多くの漫画雑誌や単行本が刊行され、日本の漫画雑誌の翻訳版がすぐに海外でも販売されるなど、人気のある日本文化のひとつとなっています。また、日本の漫画はクリエイターの層も非常に厚く、幅広いジャンルの作品が次々と生まれ、新しいファン層を取り込み続けているのも特徴です。

そこで、日本在住の外国人20名に「日本の漫画で絵が「かっこいい」と思うものは?」と質問してみました。

日本の漫画で絵が「かっこいい」と思うものは?

■キャプテン翼(トルコ/30代前半/女性)
■古いけど、キャプテン翼(アルゼンチン/30代前半/男性)
■スラムダンク(イギリス/20代前半/女性)
■ワンピース(タイ/30代後半/女性)
■ONE PIECE(ベトナム/30代前半/女性)
■BLEACH(ロシア/20代前半/女性)

全体的にさまざまな作品名が挙げられましたが、傾向として多かったのが、週刊少年ジャンプで連載されていた、もしくは現在も連載されている作品でした。週刊少年ジャンプは、1968年に「少年ジャンプ」として月2回刊誌として創刊され、翌年の1969年より週刊誌となりました。1995年には653万部という漫画雑誌の最高発行部数を記録したこともある、「友情」、「努力」、「勝利」をキーワードとする漫画雑誌です。海外ではドイツ、アメリカ、中国、台湾などで翻訳され、書籍や電子書籍で出版されており、特に台湾では人気の高い雑誌となっているようです。

■DRAGON QUEST(フィリピン/40代前半/女性)
■ドラゴンクエスト(マレーシア/30代前半/男性)

こちらは漫画ではありませんが、キャラクターデザインはご存知、同雑誌で連載をしていた鳥山明氏です。海外で販売されている最新タイトルのドラゴンクエストIXは、北米版・欧州版・豪州版が存在し6カ国語に対応。海外での出荷数は100万本を超えるそうです。

■ガンダム(台湾/40代前半/男性)
■ガンダム。(スペイン/30代後半/男性)

ガンダムシリーズを挙げる回答もありましたが、調べてみたところ、日本での根強い人気に比べると、海外ではそこまで広がってはいない模様でした。この状況について、西洋圏では特に、操縦型の巨大な人型メカがヒーローという立場で出てくる作品が基本的には無く、どちらかというと「モンスター」や「恐ろしいもの」と捉える性格が強いため、ガンダムを「かっこいいもの」として捉えづらかったから、という分析もあるようです。

■キャプテンハーロック(ドイツ/40代前半/女性)
■北斗の拳(アメリカ/20代後半/男性)
■進撃の巨人(ブラジル/20代後半/男性)
■宮崎駿のハウルの動く城。(イスラエル/30代後半/女性)
■百鬼夜行抄。(韓国/40代後半/男性)

他にも、北斗の拳といった劇画調の作品からジブリ作品、2005年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門推薦作品に選ばれた妖怪奇譚「百鬼夜行抄」といった作品まで、さまざまな作品名が挙げられました。

■かっこいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■人の気持ち表わす絵。(オーストラリア/40代前半/男性)

固有の作品名ではなく、日本の漫画に対する全体的な感想もありました。

■あまり漫画を読まないので、わからないです。(中国/20代後半/女性)
■漫画は一切読んだことがありませんし、絵も興味ありません。(チュニジア/40代後半/男性)
■私は漫画が好きではないので、かっこいいと思っていません(スウェーデン/40代後半/女性)

日本の漫画で絵がかわいいと思うものは?という質問のアンケートの際もありましたが、海外(特に欧米)では「漫画は子供が読むもの」という感覚が強いため、漫画に対して強い思い入れが無い人も多いのかもしれません。

「絵がかわいい漫画」をたずねた際は、キャラクターとして独立して使用されることも多いためか、多くの人が挙げる作品というものがありましたが、今回の「絵がかっこいい漫画」に関しては特定の傾向があるというより、新旧含めさまざまな作品名が挙げられ幅広く受け入れられている様子が読み取れました。私たちが思っているより、多くの日本の作品が外国人の目に触れられているのかもしれませんね。