4月10日午前9時、東京・表参道にあるアップル直営店「Apple Store, Omotesando」でApple Watchの展示と試着が開始された。今回はアップル側の対策もあってか、恒例となった大行列は見られず、スムーズに試着を体験できた。

店頭の様子

開店前の行列はなし! 約50人が集まる

アップルストア前の行列は、新製品が発売になるたびに見られる恒例の景色となっていたが、近隣の店舗などに与える影響や、行列をめぐってのトラブルなどもあり、批判の対象にもなっていた。アップルとしてもそろそろ解決するべきと判断したのだろう、今回は深夜~早朝からの行列組は一度解散され、開店寸前にまた戻って並び直すという形で、行列はほとんど形成されなかった。

ちょっと見えづらくて恐縮だが、駅の出入り口脇に固まって見えるのが先頭集団。この後ろに少し列ができていた程度で、いつもの数百メートルに渡る長大な列はできていない

もっとも、開店時に集まったのは多く見積もっても50人程度と、例年の行列を見慣れた身にとってはささやかな人数だ。年度始めの平日ということもあるし、Apple Watchという、いわば海のものとも山のものともわからないものについて、ユーザーも決めかねているということなのだろう。逆にいえば、開店時に集まったのは、初物を体験しなければ気が済まない熱心なアップルファンなのだろう。

午前9時、恒例のスタッフによる拍手とともに開店し、10名前後ずつが入店して試着に移る。今回の試着は、まず店頭のスタッフが端末で予約を入れると、ユーザーにSMSで通知が来る。このSMSを試着スタッフに見せることで、初めて試着ブースに案内される仕組みだ。これを面倒と見るか、丁寧な接客と見るかは人それぞれだと思うが、Apple Watch editionのような高額品も同時に扱うための措置なのだろう。発売から少し経って、もう少し店頭が空いてくれば、また手続きが変わるかもしれない。

店内には左右に2台ずつApple Watch専用のテーブルが用意され、1つがディスプレイ専用、もう1つが試着スペースとなっている。表参道店の場合、試着スペースは地下にも用意されており、同時に15~20名くらいが試着を体験できるようになっている。11時前後で待ち時間は5分程度になっているので、たとえば仕事帰りや、近場であれば昼休みなどに寄っても十分触る時間はありそうだ。

展示台のほうには全モデルと全バンドが展示されている。ガラス板の下なので触れることはできないが、質感などをしっかり確認することはできる

スタッフによる丁寧な接客は印象的

試着の予約時には、試着してみたいApple Watchの種類を最初に決めることになる。ここでApple Watch SportとApple Watchを選んだ場合は、もう片方も試してみることができるが、Apple Watch editionを試着したい場合は最初に選択しておかないと試着できない。editionを選択しておけば、同時にSportやApple Watchも比較することが可能だ。試着の予約は購入を義務付けるものではないので、高嶺の花のeditionを一度腕に付けてみたいという人は、臆さずに予約時に伝えるといいだろう。

予約はスタッフの持つ端末に名前とメールアドレス、電話番号を入力すると、自分の携帯電話にSMSが届くので、それを試着台近くのスタッフに見せる仕組みだ

試着時はスタッフが1名ずつ付いて、希望のサイズやバンドの種類を聞きながら付け外ししてくれる。試着台にはデモ機も用意されており、操作などはこちらで試せる(筆者が試した試着機は電源が入っていなかったので、もしかするとモックアップかもしれない)。試着台には10台~15台程度のApple Watchが準備されており、その場で入れ替えながら試着可能だ。

試着時はスタッフがバンドの着脱や調節などを一通りやってくれるので、ユーザーは腕を出して待っていればいい。一度着けた後は自由に着脱も試せる

試着台の下の引き出しに交換用のApple Watchが収納されており、引き出しはスタッフの端末がないと開かない仕組み。ちなみに地下では別途ストック用のケースが置かれていた

Apple Watchのバンドは専用の器具を使わずに爪でボタンを押すだけで交換でき、「リンクブレスレット」に至ってはコマを外してサイズ調整もできる。こうした着脱もユーザーが実際に体験できるので、心ゆくまで使い勝手を試せる。試着の時間は混雑具合によっても異なるが、予約開始時から含めて概ね10~15分程度といったところだろう。筆者も実際に並んで試着してみたが、4種類のバンドの装着具合を確かめ、実施に取り外しなども体験できた。

接客はとても丁寧で、普段高級ブティックなどとは無縁な筆者だが、そういった店舗と同等レベルの接客体験ができているのではないかと思う。

購入はオンラインで

本日9時に開始されたのは「試着」であり、予約は午後16時1分から開始される。Apple Storeで試着して気に入った場合は、店頭ではなく、オンラインのApple Storeで購入手続きをすることになる。商品はそのまま自宅に届くので、試着以外で店舗に赴く必要はない。 24日の販売開始時に店頭に在庫が入るかどうかは不明ということなので、できるだけ早く入手したい人は、オンラインで予約しておくのが一番確実だろう。

ソフトバンク表参道店でも試着可能

ソフトバンクもApple Watchの取り扱いを発表しているが、旗艦店であるソフトバンク表参道店でApple Watchの展示が始まっている。こちらでもApple Storeに劣らず丁寧な接客で試着が行われていた。

ソフトバンク表参道店ではApple Watch editionの取り扱いがない以外は、基本的にApple Storeと同様の展示・試着が行える。また、購入は店頭で行えるということで、逆に本日予約を入れても、発売日以降に店頭に受け取りに来る必要があるという(受取日は入荷状況による)。

両店は数百メートルしか離れていないが、Apple Storeが混雑している場合や、原宿方面から向かう場合は、こちらが穴場になるのではないだろうか。

Apple Store, Omotesandoから原宿方面に数百メートル離れたところにソフトバンク表参道店がある。こちらにも朝から試着を希望する人たちが列をなした

Apple Watch editionがないものの、店内の対応は概ねApple Storeと同レベル。こちらの接客も大変丁寧だった