IDTは4月7日、欧州原子核研究機構(CERN)と3年間の共同研究に入ったと発表した。世界最大の素粒子加速器であるCERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で得られるデータの収集・解析にIDTの低レイテンシRapidIOインターコネクト・テクノロジーが利用されるという。

LHCは、検出器1台につき毎秒何百万回もの衝突を発生させ、毎秒約1ペタバイトのデータを生成する。RapidIOテクノロジーは、コンピュータのプロセッサのクラスタ間を低レイテンシで接続し、データの移動をスピードアップすることができる。これにより、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)とデータセンターにおける、リアルタイムのデータ分析とデータ管理を実現することが可能になるという。共同研究の第1段階ではIDTの現行のRapidIO 20 Gbpsインターコネクト製品を使用し、今後CERNでの研究の進捗に合わせてRapidIO 10xN 40 Gbpsテクノロジーにアップグレードしていく予定だ。

現在は、CERNが集めるリアルタイムデータの量を考慮し、カスタムビルトのASICハードウェアで実装が行われており、ハードウェアに実装されているアルゴリズムを使用してデータを抽出し、その中から1%を選び出してさらに分析している。データの取得・選択・分析を改善するには、リアルタイム相互接続を向上させる必要があり、CERNは、RapidIOベースのコンピューティングアーキテクチャを開発することで、リアルタイムのデータフィルタリングに関する問題を解決するとしている。