ライオンのリビングケア研究所はこのほど、「食器洗いの際の行動および生理・心理状態」を科学的手法により解析した結果を公表した。

食器洗い時の計測ポイント(イメージ)

"ヌルつき"による姿勢や心理の変化とは?

"食器を洗っているときにヌルつき"を感じると、無意識のうちに食器をしっかり支えるような行動変化が起こり、その変化が「疲労感」と関連しているのではないかと仮定。そこで"ヌルつき"に差のある台所用洗剤を用いて、「食器洗い」時の身体の動きや心理状態に及ぼす影響を調査した。実験は20代から40代の成人女性20名で行った。

実験では、頭や肩・腕・手など10カ所を計測ポイントとして、それぞれの部位が3次元でどの位置にあるかを、時間を追って計測。その結果、「食器洗い」中は体が前傾姿勢となり、さらに、"食器を洗っているときにヌルつく"台所用洗剤を使うと、被験者の50%でより「前かがみ」になることが分かった。

測定結果イメージ(データに基づいて作成)

"ヌルつく"洗剤で洗っている場合には、「体の動きが制限されている」ことが観察された。特に、頭・肩中央・左ひじの3カ所で、動きの範囲が顕著に狭まっていることが分かった。このことから、食器を落とさないように姿勢が「前かがみ」になり、食器を持っている左ひじや、頭・肩中央の動きが制約されたと考えている。

「食器洗い」行動による心理状態の変化を調べた。その結果、姿勢と「疲労感」とは相関関係にあり、姿勢が「前かがみ」になるほど食器を洗ったあとの「疲労感」が大きくなることが分かった。

食器を洗う時の心理状態の変化を評価した。その結果、"ヌルつく"洗剤を使った場合には、特に食器洗い後の「活気」が失われていることが分かった。また、"ヌルつかない"洗剤を使うと、食器洗いをしても気持ちがマイナスに変化する程度が少ないことを確認した。