添い寝するだけのフレンド、略して「ソフレ」。マイナビニュースが男女300名を対象に行ったアンケートから、肯定派と否定派について考えます。前回は肯定派についてでした。今回は否定派の意見を見ていきましょう。

ソフレがいらない人は、どんな人物でしょうか。89.7%の人が「いらない」と答えているだけあって、いろいろな理由が挙げられています。

「何が良いのか理解できない」「関係がふしだら」

例えば、「添い寝するだけの何が良いのか理解できない」などの"ソフレを持つ意味が分からない"という人。恐らくこの理由をあげる人たちは、日常生活の中で寂しい、癒されたいという気持ちがあまり強くないのでしょう。

また、「関係性がはっきりしなくて後々面倒だから」「男女である以上それはあまりにも関係がふしだらだと思う」という、あいまいな関係を懸念する意見も見られます。この"関係性の問題で「ソフレはいらない」"と答える人は、金融や教育に関する仕事をしている人に多いようです。お金を扱うきっちりした仕事や、道徳や倫理を教える立場にある教育という仕事をしているからこそ、ソフレというあいまいな関係に否定的なのかもしれません。

「どうせソフレになるなら恋人になりたい」

そして否定派の多くは、どうせソフレという関係になるのであれば「ソフレより彼氏がほしいです」「添い寝だけだと会いたいときに会えない。彼氏になってほしい」と、恋人としての関係を望んでいます。

しかし、以前に解説したように、ソフレはただ一緒に寝るだけではなく、それにいたるまでの過程で恋人には言えない・できないわがままを満たす相手だということが、実は重要なんです。そのため、恋人になってしまうとわがままを満たすことができないので意味がありません。

下心を踏まえた上での男性と女性からの意見も

ソフレが欲しい男性には、「そこからのワンチャンがあるから」と性的な関係にたどり着きたいという希望をあげる人もいます。そして、その思惑には女性自身も気づいているわけです。そのため、女性は「それで済むのかがよくわからない」「恋愛感情がうまれちゃいそうで怖い」と、ソフレはいらないと答えるのです。そしてそれは男性自身もそう。「添い寝で止められる自信がないから」と、相手との信頼関係でなり立つソフレという関係が維持できる自信がないから、「いらない・ならない」と答えます。

一方で面白いのは、「一人で寝たい」「ただでさえベッドが狭いのに添い寝なんてされると邪魔で仕方が無いから」「リラックスできない」という理由。こうなってくると、誰かと一緒に寝たいとか、一人で寂しいと感じることはないのでしょう。きっと、永遠にソフレが欲しいとは思わないでしょうね。

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著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。