ジャストシステムは3月26日、セルフ型アンケートサービス「Fastask(ファストアスク)」を利用したインターネット調査「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」の2014年総括を公開した。

調査は、全国の15歳から69歳の男女1100名を対象に、2014年1月~12月の期間に毎月1回実施した。主な調査結果は以下の通り。

2014年は「ニュースキュレーションアプリ」飛躍の年。利用率は「Yahoo!ニュース」がトップ

スマホユーザーの「ニュースキュレーションアプリ」の利用率は、「SmartNews」が7.30%(2014年3月度調査)、6.08%(5月度)、15.70%(2015年1月度)、「Gunosy」は5.16%(3月度)、5.74%(5月度)、11.20%(2015年1月度)、「LINE NEWS」は10.47%(5月度)、13.10%(2015年1月度)であった。

いずれのアプリも、2014年~2015年初頭にかけて利用率を大幅に伸張させている。2014年3月に「Gunosy」、8月に「SmartNews」がテレビCMを開始したことも利用率上昇の要因のひとつと言える。

最も利用率が高いニュースキュレーションアプリは「Yahoo!ニュース」(39.7%)で、他を大きく引き離し、スマホユーザーの4割に利用されていることがわかった(2015年1月度)。

「マンガアプリ」の認知率が大きく増加。CM効果で「comico」が大躍進し、3割近くが認知。

マンガアプリの認知率は、「マンガボックス」が17.7%(5月度)、27.2%(8月度)、「LINEマンガ」が30.9%(5月度)、35.8%(8月度)、「comico」が13.4%(5月度)、27.0%(8月度)、「Yahoo!ブックストア」が39.3%(8月度)であった。

最も認知率の増加幅が大きかったのは「comico」で、認知率が約2倍となった。認知率の上昇には、「ニュースキュレーションアプリ」と同様に、2014年7月から「マンガボックス」、8月から「comico」、10月から「LINEマンガ」がテレビCMを開始したことが大きく影響していると分析している。

「スマホショッピング」は約1.5倍の成長。10代女性は4割近くが経験あり

ネットショッピングで主に利用する端末は、2014年6月度調査では「PC」が最も多く(90.0%)、次いで「スマートフォン」(7.4%)であった。しかし、2015年1月度では「PC」が減少し(86.1%)、「スマートフォン」が増加した(10.8%)。この間の「スマートフォン」の利用率の伸びは約1.5倍だった。

2015年1月度の調査結果を10代女性に限って見てみると、インターネットショッピングにおける「スマートフォン」の利用率は37.5%で、4割近くが「スマートフォン」から購入した経験があることがわかった。

クリスマスプレゼントの購入時、「スマートフォン(アプリも含む)」から購入した人は、2013年11月度では4.8%に対し、2014年11月度は6.6%と、約1.4倍の伸びであった。

一方で、「スマートフォン」の入力フォームについて、「入力するのに画面を拡大する必要があるといらいらする」人は57.4%、「入力欄が狭いといらいらする」人は52.4%と、半数以上がインターネットショッピングには避けて通れない入力フォームに不満を感じていることがわかった(2014年12月度調査)。

参入相次ぐ「格安スマホ」は、認知率と興味度ともに向上。認知率は7割超え

SIMフリーのスマートフォン(端末)と、データ量や機能を抑えた格安SIMカード(通信プラン)を組み合わせた「格安スマホ」は、認知率が65.0%(5月度)から、71.1%(8月度)に上昇し、購買意向や興味がある人の割合も24.4%(5月度)から、29.3%(8月度)に上昇した。

2014年4月にイオン、6月にビッグローブ、7月にヨドバシカメラ、10月に楽天が格安スマホ市場への参入を表明したことにより、一気に認知が進み、興味や関心をひいたと分析している。

「ウェアラブルデバイス」の認知率は向上するも、興味・関心は微増

「ウェアラブルカメラ」の認知率は、51.4%(2013年5月度)から62.6%(2014年9月度)に上昇した。一方、購買意向や興味関心はそれほど高まらず、22.0%(2013年5月度)から、25.1%(2014年9月度)に微増となっている「スマートウォッチ」については、認知率が42.7%、購買意向は4.6%であった(2014年5月度)。

SNS関連の広告が活発に。「Facebook広告」「Twitter広告」ともに認知率は7割近く

2014年は、Facebookが4月に広告システムを大幅刷新し、Twitterも6月にアプリプロモーションをスタートさせるなど、SNS関連の広告が活発な動きを見せた。

2014年11月度調査によると、スマートフォンで「Facebook広告」を「よく見る」人は26.9%、「見たことがある」人は43.3%と、合計で70.2%の人が「Facebook広告」を認知している。「Facebook広告経由でサイトを閲覧したことがある」人は32.9%、「Facebookで表示される動画広告を視聴したことがある(動画をタップした)」人は28.1%であった。

一方、「Twitter広告」をスマートフォンで「よく見る」人は23.6%、「見たことがある」人は43.8%とあわせて67.4%で、やはり7割近い人が認知してます。「Twitter広告のURLをクリックしたことがある」人は33.1%、「Twitter広告経由でアカウントをフォローしたことがある」人は21.0%であった。

スマホ利用で増えた時間は、1位「WEB検索」、2位「スマホカメラ」、3位「ニュース閲覧」

スマートフォンを利用するようになって、利用前と比べて増えた時間は、「WEB検索をする時間」(46.1%)、「スマートフォンのカメラを利用する時間」(42.5%)、「WEBでニュース記事を閲覧する時間」(39.9%)、「SNSアプリを利用する時間」(37.2%)となった。

「SNS」「ゲーム」「動画」のスマホアプリに1日平均2時間、10代は3時間以上を費やす

スマートフォンアプリの利用時間は、「SNSアプリ」に42.27分、「ゲームアプリ」に37.95分、「動画アプリ」に34.74分。合計すると114.9分となり、1日あたり平均2時間近くをこれらのアプリ利用に費やしていることがわかった。

10代に絞り込んで見てみると、「SNSアプリ」に78分、「ゲームアプリ」に57.45分、「動画アプリ」に59.64分で、合計195.09分でした。1日あたり平均3時間以上をスマートフォンのアプリと接触して過ごしていた。

2014年、行動や考え方に最も影響を与えたメディアは、10代の半数以上が「スマートフォン」

「自分の行動や考え方に最も影響を与えたメディア」は、「パソコン」(56.8%)、「スマートフォン」(53.7%)、「テレビ」 (46.6%)の順となった。回答を10代に限定すると、「スマートフォン」(54.8%)、「パソコン」(46.5%)、「テレビ」(45.2%)で、「スマートフォン」が「テレビ」や「パソコン」を抜き、トップとなった(2014年12月度調査)。