一般的にスギ・ヒノキ花粉の飛散が終わる6月以降にも、アレルギー症状を引き起こす花粉は飛んでいるのだ

花粉症の抗原として有名なスギ花粉は3月が、ヒノキ花粉は4月が特に飛散が多いと一般的にされている。ただ、スギやヒノキ以外にも花粉症を引き起こす植物は数多い。

そして厄介なことに、それらの植物はスギ・ヒノキ花粉が飛散しなくなる6月以降に花粉を飛ばす。今回は、スギ・ヒノキ以外でアレルギー症状を招く植物の中から、主だったものを紹介しよう。

■ブタクサ(キク科)

8~10月に花を咲かし、秋口の花粉症の主な原因としてよく知られている。道端などでよく見かけるブタクサの花粉は、午前中に飛散する。スギやヒノキのように遠方地までは飛ばないものの、一度落ちた花粉が再度風に乗って飛散することもある。

■ヨモギ(キク科)

一般的には9月から10月に花粉が飛散する。北海道・東北地方を除く日本各地に生えており、山地や野原でよく見かける。ブタクサより繁殖が旺盛な点も特徴だ。

■カモガヤ(イネ科)

花期は5月~7月。イネ科花粉症の原因の代表的存在とされている。日当たりの良い温暖地、肥沃(ひよく)な所を好む。畑地や河原などに生育する。

■ネズミホソムギ(イネ科)

花期はカモガヤ同様、5月から7月と言われている。ヨーロッパ原産のネズミムギとホソムギの交雑種で、東京都内では河川敷や公園で見られることがある。

■アキノエノコログサ(イネ科)

花期は9~10月とされている。草丈は1メートル前後になり、日当たりのよい畑地や荒廃地、近年では都会付近でも見られる。

これらの植物の花粉は、スギ花粉のように100キロメートル先から飛んでくるということはない。ただ、ブタクサやヨモギなど、生育場所付近で大量の花粉を飛ばしている植物は多い。花粉症を発症しないための大切な防御策は、「花粉を吸い込まないこと」だ。これらの植物の花期には、できる限りその周囲に近づかないようにしよう。

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