富士通、オリックス、増田採種場、静岡県磐田市は26日、磐田市においてスマートアグリカルチャー事業の立ち上げに向けた検討を開始することにつき基本合意したと発表した。同事業では、ICT/テクノロジーを活用した栽培施設により、安定的な大規模・効率生産を行うなど、食・農全体のバリューチェーンを俯瞰した新たなビジネスモデルの共創を図る。

スマートアグリカルチャー事業のイメージ

磐田市で立ち上げられるスマートアグリカルチャー事業は、種苗会社、農業生産者、流通・食品加工会社、自治体、学術機関、金融、ICTを含む農業機械・資材メーカーなどの様々な知見を融合し、食・農全体のバリューチェーン(種苗~生産~加工・出荷~販売など)を俯瞰した新たなビジネスモデルの創造を目的とする。

新たに創造するビジネスモデルは、「生産・加工事業」、「インフラアウトソーシング事業」、「種苗ライセンス事業」の3つを柱としている。「生産・加工事業」では、ICT/テクノロジーを活用した高度な環境制御を施した栽培施設を使用し、季節や転向に左右されない、安定的な大規模・効率生産を行う。「インフラアウトソーシング事業」では、前出の栽培施設や効率的なオペレーション、堅牢なセキュリティが施されたデータマネジメントをインフラとして活用していく。「種苗ライセンス事業」では、脚光を浴びずに埋もれている品種の高付加価値化を実現する。

また、同事業では雇用の創造・地域人材の育成にも取り組む。雇用では、人材を活かせる農業におけるダイバーシティを実現し、人材育成では先進的な知見者との連携により、将来に渡って地域農業の中核となる人材の育成をしていく。

今後は4月1日に「磐田スマートアグリカルチャー事業準備株式会社」を設立。2015年度上期中に、事業環境の整備ならびに実効準備を行い、詳細実行計画を合意の上、準備会社の増資および事業会社への位置づけを変更を行う予定としている。事業開始時の事業用地面積は約10haだが順次拡大していくという