ハンドルを持つと性格が激変するドライバーと言えば、こち亀の本田速人巡査のことが頭をよぎるかもしれない。

車のハンドルを握ると性格が激変し、荒っぽくなる人がいるように、普段はまったく普通の人でもフェイスブックやツイッターなどのネット上では激変することがある。こちらの素性が相手にわかりにくく、距離感がある相手に対し、怒りを手軽に解放できる幅広いソーシャルメディアは、利用者を攻撃的にする危険な組み合わせとなるようだ。今回発表された研究結果によると、SNSを頻繁に利用する人ほど、他人に対しての "思いやり" が失われていく傾向にあるという。

英ロンドンにあるサイコロジカル・システムズの臨床部長リチャード・シェリー博士が行った調査によると、ソーシャルメディアを利用する人は、他人との "共感"や"思いやり"が感じにくくなるそうだ。また、怒りに駆られて冷静な判断ができず、攻撃的な対応に出ることもある。

最新の調査では、10人中9人のイギリス人が、オンライン上では実生活よりもすぐ頭に血が上ることを認めており、特に若い人はその耐性が低いことが判明している。

この調査は、フェイスブック、ツイッター、ワッツアップ、インスタグラム、ピンタレストなどの利用者1000人を対象としたもので、メッセージを読む際や投稿の際に性格が変わったことがあるかどうか質問した。

84パーセントがオンラインの場合は、普段より簡単にイライラし、相手に対して怒りを感じやすくなると解答している。特に若者はネットで性格が急変しがちで、18~24歳ではおよそ26パーセントが"いつも"カッとなることが判明している。他の年齢層では、35~44歳では18パーセント、55歳以上では11パーセントだ。

本調査は調査会社のワンポールが実施したもので、大勢の人がオンライン上でカッとなって後悔した経験があることを浮き彫りにした。   これによれば、およそ35パーセントの人が怒りに任せて返信やコメントを投稿し、後になって後悔している。また、同程度の割合が怒りを発散したい衝動に駆られたが、何とか自分を抑えたと解答している。

シェリー博士の説明では、ドライバーが車の中にいるのと同じく、ソーシャルメディアの利用者も、画面の背後にいて守られていると感じているそうだ。また、匿名性が高いことや、利用者同士や自分に対して無礼であると感じさせる相手との距離感も増長するのも一因である。彼らははっきり物を言わず、そのために話の内容に耳を傾けないというささいな事実でさえも無鉄砲さを増加させる。

同博士は、こうしたソーシャルメディアサイトには、衝動性が増す可能性について警告文を掲載させるべきと考えている。

「ソーシャルメディアを利用するときには、自分の安易な発言が、他人に一生消えない心の傷を負わせるかもしれないことを、十分に考慮すべきである。運転中にカッとなって冷静さを失ったら大事故につながる。メッセージの投稿やメールを送信する前に一呼吸置くべきでしょう」

 だが、これに異を唱える研究者もいる。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでソーシャルメディアを研究するダニエル・ミラー教授は違ったが、南イタリアで最近実施されたフェイスブックの調査では、否定的なコメントは10パーセント以下であり、そうした人でさえも憎しみというよりは、ウィットや皮肉によって相手に理解させようとしていたという。

カラパイア

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