京都大学(京大)と不二製油は3月16日、大豆に関する新しい加工方法、健康成分の強化法などの開発に向け産学共同講座「『不二製油』大豆ルネサンス講座」を京大宇治キャンパス内に設置すると発表した。

豆腐、味噌・醤油などに使用され、日本人にとって身近な食材のひとつである大豆は、さまざまな健康成分や食品タンパク質を含む健康食材としても知られている。しかし、世界的に見ると、大豆の大半は食用ではなく油脂の原料として利用されている現状がある。

大豆に含まれる生理活性物質

大豆は回収エネルギー効率・タンパク質の生産効率も良いため食料問題や環境問題に寄与できると考えられている。

日本は世界一の大豆消費国

伝統的に大豆が油糧種子であると考えられてきたことに加え、大豆を原料とした食品の風味や物性が多くの人の嗜好に合わない事がその理由だが、こうした課題を解決すべく立ち上げられたのが「『不二製油』大豆ルネサンス講座」だ。

風味や調理法など、グローバルな食材となるにはさまざまな研究課題がある

同講座には不二製油研究開発本部の廣塚元彦氏が特任教授に着任するほか、京大側からは品質評価学分野の松村康生 教授、食品分子機能学分野の河田照雄 教授が参加し、大豆の風味・物性・栄養機能において「大豆ルネサンス」と呼べるような革新的技術の開発を目指す。

同講座の設置期間は2015年4月1日から2018年3月31日までの3年間で、産学連携講座の強みを活かし、食品工業への実用化を視野に入れた基礎研究を進め、1年間に1つずつ新しい素材または食品を開発することが目標だという。特任教授に就任する廣塚氏は「大豆をグローバルに食品として認められるレベルに押し上げたい」と抱負を語った。